“乱セ”の裏で勃発した巨人の監督問題――その裏側にあるモノとは赤坂8丁目発 スポーツ246(3/3 ページ)

» 2015年10月01日 06時43分 公開
[臼北信行ITmedia]
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株式会社・読売巨人軍の決断

 巨人はプロ野球球団であり、1つの企業でもある。こういう話が前面に出てくるようになってしまうと、企業としては舵(かじ)取りが難しい部分も出てくる。いくら功績のある現場のトップとはいえ、コントロールできないところが生じてしまえば、その上に立つべきはずのフロント幹部にとってはどうしても扱いにくい。

 しかも原監督には球団外で「陰のフィクサー役」を務める人物の存在が多くの球界及びメディア関係者の間から指摘されている。この人物が原監督に対して長年に渡ってさまざまな助言を行っており、なにやら球団側が把握できない怪しげな動きを繰り返しているという情報まで聞こえてきている。となれば、多くの球団関係者から疎(うと)ましく思われるのも無理はないだろう。これは原監督にとって有益な材料とは言えない。

 こうした球団側との間に吹く隙間風とは別に、原監督に対しては「マンネリズム」を指摘する意見も出ている。長期政権になっていることで新しいファン層の獲得が望めず、人気が頭打ちになって伸び悩んでいるというのである。確かに今は親会社・読売新聞社のグループ会社である日本テレビも地上波放送をほとんど行わなくなり、試合中継の視聴率も振るわない。一般的にも知名度の高い同局解説者の江川卓氏、さらには現兼任打撃コーチの高橋由伸らが視聴率の獲れる次期後任監督として、その名前が取り沙汰されるのもうなずけるところではある。

 果たして巨人は世間をアッと驚かせるような新監督就任を発表することになるのか。それとも、前述したマイナス要素には目をつぶって来季も再び原監督を続投させるのか。株式会社・読売巨人軍が、今後の経営状態を大きく左右すると評しても決して過言ではない決断を迫られている。近々に明らかになるであろう、ストーブリーグの「答え」に要注目だ。

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