「ごぼうサラダ」を生み出したケンコーマヨネーズ、海外でもヒット商品の開発をイスラム教徒も食べる(4/4 ページ)

» 2015年10月01日 08時00分 公開
[伏見学ITmedia]
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諸課題をクリアして750億円を目指す

 そして2015年7月に新たな海外拠点として、カナダにバンクーバーリサーチオフィスを開所した。ここでは世界でも最先端を行く北米の食文化を調査し、タイムリーな情報を仕入れて新たな商品開発に生かすことが狙いだ。

 「例えば、まだ日本では馴染みが薄いがアレルゲンフリーやグルテンフリーなどを求める消費者が現地には数多くいる。そうした人たちがどのような食生活を送っているかを直に把握することが今後の商品開発において重要になる」と村田氏は力を込める。

 そのほか海外事業に関しては、新拠点の立ち上げだけでなく、国内商品の輸出も強化する方針だ。現在は問屋などを通じてマヨネーズやドレッシングを中心に29カ国および地域に輸出している。

 ただし今後の輸出増に向けては賞味期限の問題が付きまとう。本来であれば主力であるサラダ類やタマゴ類の商品を販売したいのだが、賞味期限が短いため輸出条件は厳しい。加えて、マヨネーズやドレッシングも顧客からさらなる賞味期限の延長を求められている。「賞味期限が延びればもっと売れるという声は多い。そこで賞味期限が今の倍になるような商品の開発を検討している」と村田氏は述べる。

 また、同社商品の原材料として多く使われるタマゴ価格の高騰も悩みの種だという。村田氏は「需要と供給のバランスを見たとき、タマゴの価格が下がらないのは大きな課題。売り上げを伸ばしながら、調達コストを抑えて利益をどう捻出するかは挑戦」と村田氏は話す。

 同社の新中期経営計画で2017年度に連結売上高750億円という数字を掲げている。その目標達成に向けてグローバル展開は不可欠である。今まさに東南アジアをはじめ新しい市場の開拓が急がれているのだ。

【変更履歴】記事公開時、「消費期限」としていたところは「賞味期限」の誤りです。お詫びして訂正します。(2015/10/1 16:10)

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