私立高校と公立高校の5.8倍の格差(1/4 ページ)

» 2015年10月05日 07時41分 公開
[中土井鉄信INSIGHT NOW!]
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 「私立高等学校等授業料等の調査」をご存じでしょうか。文部科学省が発表しているデータで、私立の幼稚園、小学校、中学校、高校(全日制)の入学時の初年度生徒等納付金(年額)の1人当たりの平均額をまとめたものです。

 平成26年度に私立高校(全日制)に入学した生徒がいるとします。「私立高等学校等授業料等の調査」によれば、彼の、彼女の保護者が学校に支払った生徒等納付金平均額は、71万5644円です。内訳は、授業料が38万3598円、入学料が16万1580円、施設整備費等が17万466円。

 これが、公立高校に入学すると……。まあ、私立高校よりは安いんだろうとは予想がつくでしょう。では、その差は?

 平成26年度に公立高校に入学した生徒がいるとします。彼の、彼女の保護者が学校に支払う生徒等納付金平均額は12万4441円。私立高校とは60万円近く違います。内訳は、授業料が11万8800円。入学料は5641円。施設整備費等は公立高校ではかかりません。

 私立が、71万5644円。公立が、12万4441円。私立高校に入学すると、公立高校よりも初年度には5.8倍のお金がかかるという計算ですね。

 このデータを見て、私の頭に浮かんだのは、私がコンサルティングを実施し、理事を務めていた私立高校の先生たちの顔でした。この5.8倍の格差を、私立高校の先生たちはどのように捉えたかが気にかかりました。

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