コラム
» 2015年10月08日 07時00分 UPDATE

マネーの達人:「定期預金は元本割れしないから安心」は間違い (1/2)

財形貯蓄や自動積立定期預金などを利用して、コツコツとお金をためている人は少なくないでしょう。しかし、インフレが進むと「元本保証だから安心」とは言えません。お金の価値を考えることが、資産運用のポイントです。

[渡辺紀夫,マネーの達人]
マネーの達人

 財形貯蓄や自動積立定期預金などを利用して、コツコツとお金をためている人は少なくないでしょう。

 一方で、資産運用や投資となると「まとまったお金がないとできない」と思っている人は多いようです。やってみたいけど勇気がない、損をしたときのことを考えるとやっぱり怖い――。そんな声も聞こえてきます。

 今、日本はインフレターゲット(※)の導入後、長引くデフレから脱却し、インフレにシフトしています。インフレのときはモノの値段が上がり、その分お金の価値が下がることになります。

※インフレターゲット(inflation targeting)=物価上昇率(インフレ率)に対して政府・中央銀行が一定の範囲の目標を定め、それに収まるように金融政策を行うこと。

インフレでは物価が上がり、お金の価値が下がる

 では、具体的にみてみましょう。

 100万円を金利0.2%の定期預金に1年間預けたとします。1年後には100万2000円となります(利子課税は考慮せず)。

 定期預金をしている間に、2%のインフレが起きたとします。すると、実質的なお金の価値は、

100万2000円÷1.02(2%のインフレ分)=約98万2353円


 と、なります。

 例えば、今日、販売価格が100万円のテレビがあったとします。それが1年後に102万円で販売されていたなら、2%のインフレです。テレビの価格は102万円になっているのに、満期を迎えた定期預金の額は100万2000円。1年後にはテレビが買えなくなってしまいます。

 このように、現在の金利はインフレ率よりも低いため、みなさんの預金は実質、目減りしているというわけです。「資産運用は損をするかもしれないけど、預金は元本割れしないから安心」というのをよく聞きますが、今の日本において、それは間違った解釈だということです。

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