コラム
» 2015年10月20日 10時38分 UPDATE

精神科医に聞く、アルコール依存症の症状と予防法 (1/3)

理由はのちほど説明いたしますが、結論から言うとアルコール依存症は死に至る病です。ですから積極的に治療をしなければいけません。

[いしゃまち]
いしゃまち

著者プロフィール:

井口 俊大

 2004年筑波大学医学専門学群卒業。2006年初期研修を終了後、筑波大学精神神経科に所属。 千葉県精神科医療センター、茨城県立こころの医療センターなどに勤務し、主に精神科救急の分野に携わってきた。 現在は特に専門分野は定めず、若年から高齢者まで精神疾患全般を幅広く診療中。 精神保健指定医


 理由はのちほど説明いたしますが、結論から言うとアルコール依存症は死に至る病です。ですから積極的に治療をしなければいけません。しかし「自分はアルコール依存症ではないか」と心配してこのページにたどり着いたのであれば、安心してください。あなたは依存症ではありません。もしくは依存症だとしても治療のきっかけは十分につかめています。アルコール依存症の患者さんは「自分は病気ではない」と言い、そのため治療が開始されることなく、放置されてしまうからです。自分はアルコール依存症であると認めることが治療の第1歩であり、肝となります。

「昨日は記憶をなくしちゃった」

「酒が抜けきらなくって、どうも仕事に集中できない」

「気が大きくなって友人を傷つけてしまった」

 お酒をたしなまれる方であれば、このようなエピソードは少なからずあるのではないでしょうか。しかし、たまにある程度では片づけられないほどに頻回に繰り返すようであれば、アルコール依存症の可能性を考えなければいけません。

 症状は大きく5つに分けられます。

(1)依存症状

 「好きで飲んでるんだからいいじゃないか」「俺はやめようと思えばいつでも止められるんだ」など言いアルコールを手放しません。それでいて「俺は依存症なんかじゃない」と自分が病気であることを認めません(否認)。

(2)離脱症状

 不眠、イライラ、手の震え、頭痛、けいれん発作、幻覚などアルコールが体から抜けた時にこのようなさまざまな症状が出現することがあります。これらの症状を出ないようにするため、アルコールを切らさないようになります。

(3)身体症状

 肝障害は有名なところですが、そのほかにも膵炎、高血圧、糖尿病、高脂血症、心筋炎、悪性腫瘍などの病気を引き起こす危険性があります。

(4)精神症状

 アルコール依存症の人はそうでない人と比べてうつ病を併発する危険性が高いことが知られています。その他にも認知症、不安障害、意識障害、暴言暴力が目立つようになる性格変化、被害妄想などあらゆる精神症状をきたすことがあります。

(5)社会的問題

 飲酒運転で刑事罰を受ける、仕事がまともに行えなくなり失職する、多額の借金を抱える、などから社会的地位を失い、さらにはドメスティックバイオレンス、育児放棄といった家庭内の問題から家族を失い孤立が深まります。

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