IoTビジネス戦争が始まった! 日本企業が進むべき道とは

「産業構造が大きく変わる」 経産省が取り組むCPS推進戦略とは?(2/3 ページ)

» 2015年10月23日 09時15分 公開
[鈴木亮平ITmedia]

経産省が立ち上げた「IoT推進ラボ」とは?

 IoT、ビッグデータ、人工知能の進化によって産業構造の転換期を迎えている現在、CPSビジネスで後れをとることは国際競争における敗北を意味する――。そう警鐘を鳴らす経産省は、CPS時代に対応するため、産官学の連携で「IoT推進ラボ」を2015年10月23日に設立した。

経済産業省 商務情報政策局・情報経済課長の佐野究一郎氏 経済産業省 商務情報政策局・情報経済課長の佐野究一郎氏

 IoT推進ラボは、短期的なプロジェクトから長期的なプロジェクトまで、企業間連携によるIoTビジネスの創出を目的とする。具体的には、ベンチャー、大企業、外資系など、規模や業界を超えた企業間のネットワーク構築を支援し、IoTプロジェクトの組成を行う。

 経済産業省 商務情報政策局・情報経済課長の佐野究一郎氏は「今までは会社ごと、業界ごとにIoTビジネスに取り組んだり、ビッグデータを利活用したりしていたが、これからは他業界の企業と連携してデータを横断的に活用していかなければ勝てない」と語る。

 IoT推進ラボでは有識者などによる「IoT支援委員会」を設置し、各IoTプロジェクトに対するアドバイスと、政府への提言を行っていく。さまざまなIoTプロジェクトがこの支援委員会に持ち込まれ、そこで評価を受けたプロジェクトに対して資金支援や規制改革などのサポートを行うという。実際には、IoT支援委員会が政府に対して提言を行い、資金支援、規制改革、分野別の戦略策定を政府が実施するという。佐野氏よれば、IoT支援委員会にプロジェクトを持ち込んでいる企業は既に500社近くに上るそうだ。

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