東京モーターショーで見ても無駄なクルマは?池田直渡「週刊モータージャーナル」(5/5 ページ)

» 2015年10月26日 08時00分 公開
[池田直渡ITmedia]
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 そんなクルマは出品されているのだろうか? 注目すべきはスズキの「バレーノ」とダイハツの「D-base(ディーベース)」だろう。バレーノはBセグメントのハッチバックで後席居住性と荷室スペースを重視したモデルだ。このサイズで4人乗車を狙うことを訴求するという点から見て新興国需要を狙ったモデルである。先進国向けなら後部座席は重視しない。これに新開発の1.0リッターの直噴ターボエンジンと1.2リッター自然吸気エンジンを搭載する。

スズキが新興国向けに打ち出すBセッグメントモデル。今回の東京ショーで最も注目すべきモデルの1台目 スズキが新興国向けに打ち出すBセッグメントモデル。今回の東京ショーで最も注目すべきモデルの1台目
ダイハツが新時代のベーシックカーとして送り出すのはD-base。簡易型ハイブリッドを採用したこのモデルは今後爆発する新興国のクルマ需要を満たす地球環境の救世主かもしれない。最も注目すべきモデル2台目 ダイハツが新時代のベーシックカーとして送り出すのはD-base。簡易型ハイブリッドを採用したこのモデルは今後爆発する新興国のクルマ需要を満たす地球環境の救世主かもしれない。最も注目すべきモデル2台目

 D-baseは簡易型のハイブリッドを中心としたe:Sテクノロジーを採用したベーシックカー。本格的なハイブリッドのように高価な仕組みではないが、エネルギー回生ができる。

 本当の未来は地味かもしれないが、これからの自動車社会をしっかり見据えた実のある中身にこそ宿っているのだ。

筆者プロフィール:池田直渡(いけだなおと)

 1965年神奈川県生まれ。1988年企画室ネコ(現ネコ・パブリッシング)入社。取次営業、自動車雑誌(カー・マガジン、オートメンテナンス、オートカー・ジャパン)の編集、イベント事業などを担当。2006年に退社後スパイス コミニケーションズでビジネスニュースサイト「PRONWEB Watch」編集長に就任。2008年に退社。

 現在は編集プロダクション、グラニテを設立し、自動車評論家沢村慎太朗と森慶太による自動車メールマガジン「モータージャーナル」を運営中。

 →メールマガジン「モータージャーナル」


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