また、産業用ロボットの性能が向上しているのは確かだが、向き不向きもある。多種多様の素材を扱う服飾産業などは、産業用ロボットの開発に課題が多い。厚みや素材の違う生地を認識して、よれがなく正確に縫製するようにプログラミングをするのは、コストに見合わない可能性がある。近い未来に産業用ロボットが工場労働者の仕事をすべて奪うということは、今のところは考えにくい。
産業用ロボットの出現で、製造業の現場は大きく変わりつつある。単純労働がロボットによって行われるようになれば、人に求められるスキルは全く違うものになるだろう。そうなれば働き方から、製造業そのものを変えていくことになる。
そして現在の注目度を見る限り、産業用ロボットはこれからますます欠かせない存在となることは必至だ。かつて機械は作業員の生産性を上げる道具として開発されたが、今や産業用ロボットが作業員に取って代わろうとしている。製造業の未来はロボットが担っている。
藤井薫(ふじい・かおる)
大学を卒業後、広告代理店や出版社を経てライターに。
『POPEYE』『an・an』(マガジンハウス)や『GLAMOROUS(グラマラス)』(講談社)などで、ファッション、ビューティ、ビジネスなど幅広い記事をカバー。日本と海外を頻繁に行き来して、海外トレンドを中心に情報発信している。
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