土肥: ワイン市場が拡大している中で、メルシャンは日本ワインにチカラを入れていますよね。例えば、自社管理の畑を拡大されている。商品開発研究所で働く生駒さんは現地の畑に足繁く通っているそうですが、そこでどんなことをされているのでしょうか?
生駒: いろいろなことをしているのですが、研究員は現地に足を運んで、どういった作業をすればワインに適したブドウを育成できるのか、といったことを検証しています。例えば、ブドウの実の周りに付いている葉っぱを取り除くと、「ブドウの糖度が上がっておいしいワインができる」と言われています。葉っぱを取り除く作業はいつごろがいいのか、どのくらいしたらいいのか、といったことを検証しています。
このほかにも、さまざまな検証を繰り返しながら、日本での最適な栽培方法を見つける、といった作業を行っています。
土肥: ブドウの栽培方法を検証されているということですが、ワインづくりの歴史って長いですよね。「このようにやればおいしいワインができる」といったマニュアルがあると思うのですが、にもかかわらず今でも試行錯誤しながらブドウ栽培を手掛けているのですか?
生駒: 日本でワインづくりを始めてから140年ほど経ちますが、“品質のいいモノをつくろう”という動きがスタートしたのは、30年ほど前からなんですよ。ワインづくりの技術は欧米のほうが進んでいて、「このようにやればおいしいワインができる」といった方法があります。しかし、欧米と日本では風土がかなり違うので、そのまま取り入れてもなかなかうまくいきません。私たちは日本の気候に合わせて、土壌に合わせて、栽培管理の方法をつくっていかなければいけません。そのノウハウは積み重ねていくしかないんですよね。
土肥: おいしいワインをつくろうと本腰を入れたのは30年ほど前から、ということですが、具体的にどんなことに取り組んだのでしょうか?
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