業績好調! カレーの「ココイチ」に、人が集まるワケ水曜インタビュー劇場(カレー公演)(4/7 ページ)

» 2015年11月04日 08時00分 公開
[土肥義則ITmedia]

本部からアドバイスはしない

本連載が書籍になりました。売れている商品の裏には、こんなストーリーが!? 『ササる戦略』(三才ブックス、(Kindle版

宮崎: いえ、過去に戻ることはできません。なぜなら、お店によって状況が違うから。例えば、立地は違いますし、客数も違う。ひと手間・ふた手間かかるメニューだと、忙しい店の中には「ちょっと勘弁してくださいよ」という声も出てくるんですよね。

 そうなると、建前上は「がんばって、売ろう」ということになっても、忙しい店は本気になって「売ろう」と思ってくれるでしょうか。なかなかチカラが入らないかもしれません。でも、自分たちで考えて生み出したメニューは違う。「売っていこうよ」「他の店に負けないメニューにしようよ」となるのではないでしょうか。

 繰り返しになりますが、本部から「この商品をつくりなさい、絶対に売れますから」といったアドバイスはしません。現場の人たちからでてきたメニューを、本部は承認するだけ。

土肥: 新メニューのアイデアは、毎週50〜60個ほど寄せられるということですが、ここで疑問がひとつ。ココイチはカレーの専門店。基本カレーなので、バラエティを出すのが難しくないですか。

宮崎: 難しいですね。ただ、そうした中でも最近は、コラボ商品が増えてきました。例えば、三重県の高校とコラボして、新商品を発売しました。その高校は農業科があるので、学校で豚などを飼育されている。じゃあ、その豚を使って新商品を開発してみては? というところからスタートし、実現しました。

 全国には、いい食材がたくさんあるんですよね。「ある」ことは分かっている。でも、農家さんとのマッチングがうまくいかずに、商品化が実現しないケースも多いんですよ。一般的にはあまり知られていないかもしれませんが、食べればおいしい。そんな食材を見つけて、どんどん商品化できればいいなあと思っています。

土肥: 「地域貢献」「地産地消」といった言葉がありますが、それを実践するって難しいと思うんですよ。企業は利益を追求しなければいけないので、大量に安く仕入れるほうが利益は高くなるので。

宮崎: おっしゃる通りです。でも、お客さんに喜んでいただけるのであれば、さまざまな食材を見つけて、どんどん商品化しなければいけません。本部とお店の作業量は増えますが、それは仕方がありません。

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