コネクテッドカーの明るい未来(2/6 ページ)

» 2015年11月09日 08時30分 公開
[Strategy& ]
プライスウォーターハウスクーパース・ストラテジー株式会社

急成長する市場

 Googleのような企業や世界中の大学が、自動運転車(基本的に自走式)を造り出そうとしていることは良く知られているが、その場合、大抵は外観や機能に関心が寄せられてきた。しかし、このような運転支援機能は、自動車メーカーが自動車に組み込もうとしている新技術や新製品の1つにすぎない。

 車と周辺環境とを接続する方法は、今後5〜7年の間に大きく変化するだろう。既に、運転支援、および安全システムでは、自動駐車や、高速での車間維持、ドライバーへの前方注意が実用化されている。通信、エンターテインメント、ウェルビーイング(快適な運転環境)技術により、運転はより快適で楽しいものになる。さらに、リアルタイムの走行管理システム、及び車輌管理システムによって、最新の交通情報、最適ルーティング(走行経路の策定)、車の状態に関する情報が提供され、ドライバーはより速く、より確実に、より効率的に目的地に到着することができる。

 これらの新機能によって、コネクテッドカーの性能は大幅に拡張され、運転方法だけでなく、車の購入・維持管理方法や、自動車メーカーによる販売方法まで変わることになるだろう。Strategy&のマネジメント・エンジニアズ・グループは、Center of Automotive Managementとコネクテッドカーの今後の動向について共同研究に取り組んだ。ドイツの自動車メーカーへのインタビュー、ディーラー調査および自動車販売予測を通じて行われた本研究によると、2015〜2020年の間に、コネクテッドカー製品の全世界での売上高は約4倍に増加し、乗用車部門のみで1130億ユーロ(約15兆円)以上の市場規模になると予測されている(図表1参照)

 また、これらの新技術によって、購入者は選んだ車をより自由に自分の好みに合わせてカスタマイズ可能になり、メーカーと顧客との接点も増え、ブランド・ロイヤルティも高まることになる。

 これらを最初に実現した自動車メーカーは、競争の激しい新車市場で、優位に立てるだろう。

図表1 コネクテッドカー市場規模の予測、2015〜2020年(単位:10億ユーロ)。コネクテッドカー市場規模は2015〜2020年の間に約4倍の1130億ユーロ(約15兆円)になる 図表1 コネクテッドカー市場規模の予測、2015〜2020年(単位:10億ユーロ)。コネクテッドカー市場規模は2015〜2020年の間に約4倍の1130億ユーロ(約15兆円)になる

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