これがまずかった。日本十進分類法というのは、図書館司書や図書館ビジネスに関わる方たちにとって、すべての作業の元になるルールだ。それにケチをつければ「素人が何を分かる」と痛烈な批判がくるのは容易に想像できる。
実際に先ほどの産経記事で、谷会長がCCCの欠けている「基本的な機能」として挙げているのは、「全国共通のネットワークとデータベース」。要するに、日本十進分類法のことだ。さらに同様の批判は、他メディアでもちょいちょいお見かけする。
さらにCCCは、公共図書館で使われる日本十進分類法(NDC)と異なる独自分類を採用している。このため「旅行/ロシア」の棚に「カラマーゾフの兄弟」を置くなど、一部の利用者は困惑する。(毎日新聞2015年11月7日)
ただ、これも先ほどの「選書問題」然りで、日本十進法分類方で似たような問題がなかったわけではない。例えば、先ほどCCCの未熟さをこきおろしたTRCも、6年ほど前に似たようなミスを犯している。
2009年2月、熊本県立図書館で「からゆきさん」にまつわる図書を、「社会病理」のなかの「買売春・人身売買」のカテゴリーに分類していたことが明らかになった。
もともと、「からゆきさん」は明治期以降に天草や島原地方から海外に渡った労働者の総称であり、後に海外で風俗に関わる方がいたことからそのようなイメージに引きずられただけだ。
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