外国人観光客は増えているのに、日本が「テーマパーク戦争」に勝てないワケスピン経済の歩き方(4/6 ページ)

» 2015年11月24日 08時00分 公開
[窪田順生ITmedia]

アンデルセン公園に敗れた面々

 見る人が見れば確かにそういう部分が浮かび上がるのかもしれない。ただ、個人的にはそういう小難しい話ではなく、単にライバルたちの「敵失」も大きいのではないかとも思う。アンデルセン公園に敗れた国内アミューズメントパークの面々を見てみると、4位のUSJ以外、以下のように20年、30年は当たり前、なかには開業50周年というかなり歴史の古いテーマパークが目立つからだ。

 ハウステンボス(1992年)、日光江戸村(1986年)、ルスツリゾート(1981年)、グリーンランド(1964年)、ナガシマスパーランド(1966年)、富士急ハイランド(1961年)

 「古いからつまらない」などと言いたいだけではない。ベスト10入りした施設はみな時代に合わせたアトラクションやイベントを導入して新鮮さのキープにもつとめている。ただ、旅行や観光における「クチコミ」という点で考えると、開業からウン十年という「定番スポット」よりも、知る人ぞ知るスポットとかおニューなスポットのほうが良い評価を得られる可能性があるということを申し上げたいのだ。

 アンデルセン公園も前身の「わんぱく公園」(1987年開業)から数えればかなり古い。「アンデルセン公園」とリニューアルをしたのも1996年と20年前だが、今のようなスタイルが確立したという意味ではまだ新しい。2007年、船橋で全国都市緑化フェアが開催されたのをきっかけに、公園にたくさんの花が植えられたことで急激に入場者数が増えたというのだ。

 つまり、アンデルセン公園というのは、他の歴史あるテーマパークに比べると注目を集めたのがまだ8年前とかなり新鮮な部類であり、そこへ「都心の公園不足」が背中を押したことで、一気にクチコミが跳ね上がった可能性があるのだ。

 そこに加えてダメ押しの要因もある。冒頭の話題に関連するが、実は日本ではこの数年、オービィ横浜とか東京タワーのワンピースタワーとか中小規模のテーマパークが現われているが、広大な敷地を誇るような「巨大テーマパーク」と呼べるものは長らく登場していないのだ。

 なぜかというと、日本ではTDRやUSJという「別格」をのぞくと、巨大テーマパークというのはことごとく苦戦を強いられているからだ。

日本のアミューズメントパーク トップ10(出典:トリップアドバイザー)

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