まだ間に合う、やはり小久保監督は辞任すべき赤坂8丁目発 スポーツ246(2/4 ページ)

» 2015年11月26日 07時18分 公開
[臼北信行ITmedia]

秘密であるはずの情報を意図的に流した

 韓国戦に敗れた後に、一部関係者が「情報操作を行っているのではないか」と感じたことがある。先に「所属球団から今大会中における球数や登板試合数の限定など細かな制約が水面下で課せられ……」と記したが、この情報は韓国戦後に一部メディア関係者の間に広まり始めたのだ。

 世間で沸き起こった小久保バッシングの対応に追われるNPB(日本野球機構)の一部関係者が腐心の末に「こういう大変な制約があったから、小久保監督は投手起用のやり繰りが大変だったんだよ」という指揮官への同情感を何とか流布しようと、本来ならば秘密であるはずの情報をあえて意図的に流したとの指摘も複数の筋から出ている。

 だが、それで世間の同情を買えるのだろうか。一部メディアを通じて伝わり始めている「登板制限」の裏情報は単なる言い訳と捉えられ、今のところ逆効果にしかなっていない。

 ちなみに今大会の取材中、投手起用について小久保監督からまるで口ぐせのように何度も飛び出してきたセリフが「○○(投手名)で行くと前から決めていた」だった。要するに試合が始まる前から投手の起用順をキッチリと固めていたというのである。

 この話を聞いて、首をかしげた人も多かったのではないだろうか。先発投手はともかく、リリーフ投手についても起用順、さらには登板イニング数などの細部に至るまで試合前に固めていては準決勝・韓国戦のような厳しい試合を落としてしまう可能性が高くなる。

 国際試合で臨機応変に対応できなかった例がある。2008年夏に行われた北京五輪で野球日本代表を率いた当時の星野仙一監督(現楽天シニアアドバイザー)が“勝利の方程式”として「藤川球児(来季から阪神でプレー)―岩瀬仁紀(現中日)―上原浩治(現レッドソックス)」のリリーフ継投にこだわった。結局のところ大会期間中はこのパターンで1勝もできず、特に予選で2度救援に失敗していた岩瀬を準決勝・韓国戦で起用して逆転本塁打を食らった采配については大きな批判が沸き起こった。

 この北京五輪で4位に終わった星野監督はその後、翌2009年開催の第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の代表監督に内定したものの、当時代表メンバーの中心的存在だったイチロー(現マーリンズ)ら有識者から猛反発を食らった。こうした声に世間も同調し、そのあおりを受ける格好で最後は星野氏自ら監督就任を辞退している。

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