頭を使わず小粋に楽しめる、ファンキーで“黒いJAZZ”のススメ高木里代子の「ちょこっとJAZZ」(3/6 ページ)

» 2015年11月27日 16時30分 公開
[高木里代子ITmedia]

同じ曲でもアレンジ変わればここまで違う

 では、お次。

Herbie Hancock「Head Hunters」(Sony Music Entertainment) Herbie Hancock「Head Hunters」(Sony Music Entertainment

 これは、本当に超がつくほどの定番アルバム。何と言っても、世界を代表するJAZZピアニスト、ハービー・ハンコックの名盤です。

 ハービーといえば、モダンJAZZ全盛の1960年代にマイルス・デイビスのバンドメンバーとして活躍し、その後、フュージョンやJAZZファンクなど新しいジャンルの音楽を次々と開拓してきたイノベーター的存在です。御年75歳ですが、まだまだバリバリの現役。かっこいいですね。

 ちなみに、ハービーの曲の中でも、高木も含めてJAZZミュージシャンがセッションなどでも本当によく取り上げる曲に、「Cantaloupe Island」という曲があります。

 以下に紹介するのは、ハービーの原曲のアレンジですが、この曲はむしろ、90年代に一世を風靡したラップグルーブ「US3(アススリー)」のカヴァーを聴いて知ったという方が多いかもしれませんね。

Herbie Hancock「Cantaloupe Island」
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US3「Cantaloop Island」

 ラップや人の声が入ると、グンと聴き易くなるJAZZも多いですよね。こういった良い意味でギャングなユニット(失敬)のお陰で、JAZZが一般的にも親しみやすくなるというのは称賛に値するのではと思います。

 また、高木の個人的好みでは、以下のバージョンも、なかなかクールでお薦めです。

Herbie Hancock「Cantaloupe Island (remix) Mundo Tribal2013」

 こんな具合に、JAZZの手に掛かると、いろいろな曲がいとも簡単にさまざまなアレンジに変化するのです。気分や場所によって、さまざまな演奏家のバージョンを引っ張り出して楽しめるというのも、魅力の1つですね。

 上のバージョンのように、ハウスとかクラブミュージックの要素を取り入れたJAZZのリミックスものは世の中にたくさん出回っていますが、たまには、こういったクールなエレクトロJAZZで脳を爽快にしながら、デスクワークの作業BGMにしてみる、なんていうのもいかがでしょうか?

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