100年以上変わらなかった「タイムレコーダー」が、新しいビジネスを生む日新連載・で、どうやって儲けるの?(3/3 ページ)

» 2015年11月27日 10時40分 公開
[土肥義則ITmedia]
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タイムレコーダーの役割

 さて、気になる価格は従業員10人当たり1万800円(税込、iPad1台で利用できるのは300人まで)。人数が増えれば料金は上昇するわけだが、なんせ“ぽっきり価格”である。導入後のメンテナンス代などは発生しないのに、このタイムレコーダービジネスを軌道に乗せることができるのだろうか。

 「先ほども申し上げましたが、カードを入れて時間を記録するタイプのモノでも、年間10万台も売れているんですよ。その市場の10%でも取れることができれば、従業員30人ほどの当社でも十分にやっていけます」とのこと。

 記者がこのタブレット タイムレコーダーに注目しているのは、今後のことである。会社の人間が最も通る場所に置いているので、アイデア次第で新ビジネスが生まれそうな予感がプンプン漂うのだ。例えば、カメラを搭載しているので警備会社とタッグを組めば防犯機能の役割を果たすことができる。自動販売機の中に設置すれば、出勤時に“ついで買い”の需要が生まれるかもしれない。とまあこんな感じで、これまでタイムレコーダーは空気のような存在だったかもしれないが、これからはなくてはならない存在になるかもしれないのだ。

 取材の最後に、駒井CEOはタイムレコーダーと働き方の関係に触れた。「その昔、日本の企業は従業員に『長く働け、長く働け』と言っていたのに、今は『早く帰れ、早く帰れ』と言っていますよね。でも、言うほうも言われるほうも、あまり気持ちのいいものではないですよね。自分のことは自分で管理する――そうした環境になれば、みんなが気持ちよく働くことができるようになるのではないでしょうか。自己管理が求められる時代になれば、タイムレコーダーの役割は今とはかなり違っているでしょうね」

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