「人の思いで、人は動く」 出世した人の考え方銀座で学んだこと(3/4 ページ)

» 2015年11月30日 07時33分 公開
[桃谷優希ITmedia]

相手が添ってくれるよう誠心誠意を尽くす

 病院の理事職に就いていらっしゃるBさん(40代)は、赤字だった病院を見事に黒字に転換させました。そんなBさんのことを、周囲の人たちは「気配りの匠(たくみ)」だとおっしゃいます。

 Bさんの古くからの友人である税理士のCさんは「言葉より行動だと言うけれど、Bさんは本当にそのとおりの人。大丈夫? などの言葉はないけれど、絶妙なタイミングでコーヒーやお茶を差し入れてくれる。例えば、病院の受付の女性が落ち込んでいるとき、言葉はかけなくて、タオル地のハンカチをそっと渡したり、1人暮らしの事務員の男の子にはそうざい屋のクーポン券をあげたりしている」

 その理由をBさんに尋ねたところ、「こちらの意図したことが100%相手に伝わるかは、日本人同士でも分からない。言葉が通じない外国人が相手でも、雨が降っていたら傘を渡せばいいし、相手が疲れているのならコーヒーを入れてあげれば意図は伝わる」と、おっしゃいました。

 「理事職に就いてからは毎日が年末並みの忙しさがだったけれど、目指すところは見えていた。仕事は1人ではできない。だから、相手がこちらの目指すところに添ってくれるよう、誠心誠意尽くした」とニコリと笑っていました。

 大成された方々には、どのような共通点があるのでしょうか。AさんにしてもBさんにしても、上司から部下に仕事を押し付けてはダメだということをよくご存じ。「○○さんの力になりたい」と相手が自然と思ってくれる状況を作るのがとてもお上手なのです。

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