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» 2015年12月02日 08時00分 UPDATE

経沢香保子の「ベンチャー魂は消えない」:まだまだ未熟な経営者が、大切にしてきた7つのこと (1/7)

20代半ばで独立してから今日まで、とにかく必死に走り続けてきた約16年間だった。経営者としてさまざまなことを経験し、そして多くを学んできた。今回はそこで得たことをいくつかお伝えしたい。

[経沢香保子,ITmedia]

著者プロフィール

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経沢香保子(つねざわ かほこ)

株式会社カラーズ 代表

桜蔭高校、慶應義塾大学卒業。リクルート、楽天を経て26歳の時に自宅でトレンダーズを設立し、2012年、当時女性最年少で東証マザーズ上場。2014年に再びカラーズを創業し、「日本にベビーシッターの文化」を広め、女性が輝く社会を実現するべく、1時間1000円〜即日手配可能な安全・安心のオンラインベビーシッターサービス「キッズライン」を運営中。

 この連載でも何度かお話ししたように、私は26歳のときに起業した。平凡な家庭に育ち、取り立てて目立った資格も、キラキラした経歴もなく、たった3年の会社員経験しかないのに、今思うと、無謀にも独立してしまったわけだ。

 2000年、自宅の一室から、右も左も分からないまま、たった一人のスタート。

 紆余曲折がありながらも、何とか約16年間、社長としてやり続けてこられたのは、ひとえに、周囲の人に支えられ、運にも恵まれたことが大きかったと感謝している。これから先の挑戦は大きく、2回目の起業では結果も出していないが、これからの山の方が高いからこそやりがいもあるのだ。

 まだまだ未熟ではあるが、今回は、経営者としてこれまで大切にしてきたことを7つにまとめてみよう。

起業してから間もなく16年、変わらず奮闘する日々が続いている 起業してから間もなく16年、変わらず奮闘する日々が続いている

(1)求められることがすべての始まり

 「求められることの先にチャンスがある」

 初めて起業したとき、仕事も知名度もほとんどゼロだった。いわば、何もないところからのスタートである。特に私の場合は、フリーのコンサルタントとして独立したので、ビジネスモデルがあったわけでもない。そのときのほとんどが、人からの紹介でいただく仕事だった。

 仕事を選ぶことなく、いただいた仕事をすべてチャンスととらえて、期待以上の成果を上げるように努力した。新会社の立ち上げ、競合比較調査、商品改善アドバイス……。案件ごとに関連しそうな本を10冊以上読み込んで、にわかではあるものの知識を積み込んでいった。

 そのとき多くの方に依頼された内容が「女性に商品を広めるにはどうしたらいいの?」「女性向けの商品はどんなものがいいかな?」など、「女性」をテーマにしたものに集約されていることが分かり、F1層(20〜34歳の女性)に特化したマーケティングを思い付いたのである。それが前の会社のスタートだった。

 前職を退任し、再びゼロに戻ったとき、当然、社長業という仕事はなくなった。

心を込めて書いた文章が人気コラムになった 心を込めて書いた文章が人気コラムになった

 そんな折、女性ファッション誌「DRESS」の編集長にコラムの執筆依頼をいただいた。今までコラムなんて書いたことがなかったし、自信がなかったけど、1本の原稿にかなりの時間をさいて一生懸命書き始めたら、予想以上の反響をいただいた(関連リンク)。また、テレビの仕事は前より時間をかけて準備し、コメントを工夫するようにしたら、ほかの番組からもお声掛けをいただいた。さらには、前職で一緒に働いていたはあちゅうと一緒にオンラインサロンをやってみようかという話になって、さっそくスタートしたら1週間で400人のメンバーが集まった。飲食会社の顧問や、ノジマの社外取締役を依頼されたのもこのころだった。

 もちろん、幅広く活動することで「この人の本業は何?」と思われたりすることもあるが、時間があれば、悩んだり選んだりすることなく、求められることに期待以上の努力で応え、誰かに喜んでいただけるようにしている。何か新しいことに挑戦すること自体が自分の幅を広げ、成長につながるからだ。そして、それが、幸運や新たなチャンスを呼び込む始まりになるのかもしれない。

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