1967年東京都生まれ。信州大学経済学部卒。1989年アスキー入社、パソコン雑誌・ゲーム雑誌の広告営業を担当。1996年にフリーライターとなる。PCゲーム、PCのカタログ、フリーソフトウェア、鉄道趣味、ファストフード分野で活動中。信州大学大学院工学系研究科博士前期課程修了。著書として『知れば知るほど面白い鉄道雑学157』『A列車で行こう9 公式ガイドブック』、『ぼくは乗り鉄、おでかけ日和。 日本全国列車旅、達人のとっておき33選』など。公式サイト「OFFICE THREE TREES」ブログ:「すぎやまの日々」「汽車旅のしおり」、Twitterアカウント:@Skywave_JP。
営業運転初日の11月30日、山手線の新型車両(関連記事)がさっそく不具合を起こして運休となった。しかしそれ自体に特段の驚きはない。ケシカランとお思いの方も多いだろうし、大塚駅前で30分間も閉じ込められてしまった700人の乗客も災難だったと思うけれど、新車に限らず、電車の故障なんてもう珍しくない。
もちろん鉄道会社も車両メーカーも故障しないように努力はしているし、故障しても良いようにシステムの二重化はしているはずだ。特に最近のJR東日本の新型電車は、故障予防、電気系統の二重化を必ずアピールしていた。
今回の故障の原因は、「INTEROS(インテロス)」という次世代車両制御システムのソフトウェアの不具合と報じられている。これは列車を取り巻くあらゆるデータを統合し、モバイルWiMAXで列車指令、車両整備部門、保線部門と通信するシステムだ。この通信データには列車の制御データ、故障検知データ、列車の機器稼働状況、線路設備の計測データのほか、車内ディスプレイによる運行情報や広告コンテンツも含まれる。
情報伝達についてはTCP/IPなどのインターネット技術を使用し、列車内の機器は100Mbpsのイーサネットケーブルでつながっているという。いわば枯れた技術だし、二重化もされているはずだ。それでも故障は起きる。何があっても対処できるように、余裕を持って電車に乗りたい。そんなノンキな感想は鉄道ヒイキの私が言うことだから大目に見ていただくとして、私が心から同情した部分は車内広告だ。
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