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» 2015年12月04日 07時30分 UPDATE

一週一信の姿:朝ドラのあさちゃん「本当は達筆」 新資料に興味津々 (1/3)

NHKの連続テレビ小説「あさが来た」のヒロインのモデルとなった明治時代の実業家、広岡浅子の直筆の手紙が見つかった。ドラマでは字の下手なお転婆に描かれているが、「知的な女性像」を裏付ける筆跡という。

[産経新聞]
産経新聞

 NHKの連続テレビ小説「あさが来た」のヒロインのモデルとなった明治時代の実業家、広岡浅子の直筆の手紙が見つかった。ドラマでは字の下手なお転婆に描かれているが、「知的な女性像」を裏付ける筆跡という。新資料の発見などを報告した神戸大学の公開講座「豪商たちの近世・近代−広岡浅子を育んだ時代」では、ヒロインらの人物像や時代背景を研究者の視線で読み解き、今後の展開が楽しみになるマル秘エピソードが紹介された。(石川有紀)

実は教養ある女性

ks_asa01.jpg 発見された広岡浅子の関連資料。手前は広岡浅子が出した書面で、「浅」の字が確認できる=神戸市灘区の神戸大学経済経営研究所(沢野貴信撮影)

 新たに見つかったのは浅子直筆の手紙2通。いずれも夫の弟の嫁「なつ」宛で、年賀状と体調を崩して約束をキャンセルするわび状。広岡家の親戚(しんせき)宅の蔵で保管されていた箱の中から、化粧筆とかんざしを包んだ紙に「浅」の署名があったことから調べると、浅子直筆と確認された。

 ドラマでは字が下手なお転婆娘に描かれているが、講演で直筆手紙の発見を報告した神戸大学経済経営研究所の高槻泰郎准教授は、「達筆で格調高い内容。大変教養ある美しい文を書く女性」と説明した。

 ドラマではヒロインは京都の豪商の家に生まれ、商家のしきたりとして読書や学問を許されず、裁縫や琴のけいこを強いられるシーンが登場するが、実際には浅子が実家で禁じられたのは漢学であり、手紙からは教養ある大人の女性像が見て取れるという。

 高槻准教授はまた、ドラマに登場したヒロインの嫁ぎ先が幕末には新撰組に金を貸したエピソードについて説明した。

浅子の嫁ぎ先の広岡家が営んでいた大阪の豪商「加島(かじま)屋」が新撰組に金400両(現在の約2000万円)を貸し付けたことを示す借用書は、浅子が創業に関わった大同生命保険に残されている。

 高槻准教授は借用主として土方歳三、保証人として近藤勇が署名押印している借用書をスライドで紹介したうえ、「実は宛名が(歴代当主が名乗る)広岡久右衛門とすべきところを久左衛門と間違っている」と指摘した。

 その背景について「加島屋は大阪の豪商だが、新撰組はよく知らなかったのだろう。そして加島屋も恐ろしくて訂正を求められずに“捨て金”を用意したのかもしれない」と推測した。

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