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» 2015年12月07日 07時00分 UPDATE

入館料300円:76万冊の雑誌と書籍7万冊を保有――利用者減で大宅壮一文庫が存亡の危機 (1/2)

国内に流通する雑誌をほぼ全てそろえる専門図書館「大宅壮一文庫」。戦後を代表する評論家、大宅壮一氏がマスコミや一般市民に開放した施設だが、インターネットの隆盛で利用者が激減。26年度は4000万円を超える赤字を計上し、運営の危機に陥っている。

[産経新聞]
産経新聞

 国内に流通する雑誌をほぼ全てそろえる専門図書館「大宅壮一文庫」(東京都世田谷区)。戦後を代表する評論家、大宅壮一氏(1900〜70年)がマスコミや一般市民に開放した施設だが、インターネットの隆盛で利用者が激減。26年度は4000万円を超える赤字を計上し、運営がピンチに陥っている。

 明治以降に発刊された約1万タイトル、76万冊の雑誌と書籍7万冊を保有する大宅文庫。『一億総白痴化』『恐妻』など時代を鋭く切り取る造語を生み出した大宅氏が、サンケイ新聞で連載した歴史紀行文「炎は流れる」(昭和38〜39年)執筆のため、ほぼ20年かけて集めた明治、大正期の資料雑誌約17万冊と書籍約3万冊が中心となっている。

 「膨大な資料は、共有財産として活用してほしい」。こんな思いから、亡くなった翌46年に財団法人(現在は公益財団法人)が設立され、公開が始まった。雑誌は館内で閲覧でき、記事索引データベースで必要な資料を探してもらうこともできる。

 入館料(一般300円、学生100円)とコピー代が主な収入源だが、利用者は平成12年度の8万6000人をピークに減少。26年度には半分以下の3万8000人にまで落ち込んだ。一方で人件費や施設維持費などがかさみ、赤字額は25年度の3600万円から4300万円に悪化。同文庫の鴨志田浩主事(48)は「大きな事件が減少したことと、インターネットで無料で情報を手に入れられるようになったことが最大の要因」と説明する。

ks_tosho01.jpg 天井まで届く本棚から、閲覧希望のあった雑誌をスタッフが瞬時に探し出す=東京都世田谷区の大宅壮一文庫
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