テレビは苦戦しているのに、なぜWOWOWは過去最高なのか水曜インタビュー劇場(有料テレビ公演)(5/6 ページ)

» 2015年12月09日 08時00分 公開
[土肥義則ITmedia]

価格勝負の結果

土肥: 加入件数は2001年度をピークに、その後10年ほど低迷が続きました。これはなぜですか?

石垣: 加入件数が伸び悩んでいるときに、大量加入、大量解約がありました。どういうことかというと、月々の料金を期間限定で値下げするとたくさんの人が加入してくれましたが、しばらくするとたくさんの人が解約していきました。

 なぜ値下げをしたかというと、会社の財務状態がよくなかったから。かつては、映画を買うにしろ、スポーツを買うにしろ、音楽を買うにしろ、ものすごく高い値段で購入していました。結果、当社は2度減資しているんですよね。経営破たんしてもおかしくなかった状況で、体質改善をしなければいけませんでした。番組制作費を下げて、広告宣伝費を削って……そうした状況の中で、どうやって加入件数を増やせばいいのか。といった議論になって、「じゃあ、価格で勝負」という流れになりました。

土肥: いまは値下げしていませんよね。値下げをしたときには加入件数が伸びず、値下げをしなくなったら加入件数が伸びた。興味深いですね。

石垣: 莫大な資金を投入すれば、映画、スポーツ、音楽をどんどん購入することができます。でも、それって体力勝負になりますよね。大手放送局と違って規模の小さい当社ができることはなにか。よく「WOWOWってセレクトショップみたいですね」と言われるんですよ。どういうことかというと、自社でつくっているコンテンツもあれば(約10%)、映画もあれば、音楽もある。情報がたくさんあふれている中で、私たちの“選球眼”で、いいモノを選んでいる。そこが支持されてきたのかなあと。

土肥: 百貨店や総合スーパー(GMS)ではなく、オリジナルブランドもあるセレクトショップを目指している。ファッションの話に例えると、イトーヨーカドーではなく、BEAMS(ビームス)といった感じかな。

(出典:WOWOW)

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