東芝、PC事業分社化 テレビは国内で開発・販売継続 再編を正式発表 青梅は閉鎖・売却へ

» 2015年12月21日 16時08分 公開
[ITmedia]

 東芝は12月21日、PC、テレビ、家電各事業の構造改革を正式発表した。PCは法人向けに集中し、個人向けは国内を主軸とし、分社化して他社との再編も視野に。テレビは海外で自社開発・販売から撤退し、国内では人員を削減した上で自社開発・販売を継続する。開発拠点の青梅事業所(東京都青梅市)は閉鎖し、売却する方針だ。

photo テレビの国内開発・販売は継続へ

PCは法人向けを中核に

 PC事業は安定的な収益確保に向け法人向けを中核とし、個人向けは「堅調かつ効率的なマネジメントが可能」な国内向けを主軸とする。ODMメーカーへの開発・生産委託はやめ、法人向け部門の開発・設計を活用し、強みを生かせる商品展開を図るためプラットフォーム数は3分の1以下に削減する。

 法人向けと個人向けの2事業部体制を統合し、開発から製造、販売、サービスまで一貫して統括する1事業部制に。海外拠点は現在の13から4に集約する。

 PC事業を担当する「パーソナル&クライアントソリューション社」は分社化し、100%子会社の東芝情報機器が4月1日付で承継。その上で「一層の軽量経営を実現し、他社との事業再編も視野に入れる」という。

 PC事業の人員のうち、約3割に当たる国内外の約1300人について人員対策を実施。国内人員は本年度末までに再配置か早期退職募集を行う。

 構造改革費用で2015年度(16年3月期)に600億円を計上。固定費は今期の665億円から16年度(17年3月期)に300億円以上の削減を見込み、同年度中の黒字化を目指す。

photo 説明資料より

テレビの国内自社開発・販売を継続

 テレビ事業では海外で自社開発・販売から撤退し、ブランド供与に移行。国内では人員削減により固定費を削減、収益力を強化した上で、自社開発・販売を継続する。国内は高付加価値製品を中心とし、16年度には販売台数を約60万台にまで絞り込み、「利益が出る体質に転換させる」という。

 海外ではインドネシアのテレビ工場を売却し、エジプトの製造合弁会社の株式の一部売却で非連結化。ブラジルの合弁会社も合弁を解消する。

 映像事業の8割に当たる約3700人について人員対策を実施。構造改革費用として約400億円を15年度に計上する。固定費は15年度見通しの305億円から16年度に180億円以上の削減を図り、同年度中の黒字化を図る。

photo 説明資料より

家電事業は人員削減

 家電事業では国内外で約1800人の人員対策を実施。国内では東芝ライフスタイル社で約50人の早期退職・再配置を行うほか、PC、テレビ、家電の販売・補修を行う関係会社で約600人について再配置・早期退職を実施する。

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