土肥: なるほど。そうした経緯を経て、古橋さんは「ドローンバード」というプロジェクトを立ち上げられた。災害が発生すれば、各地に造られた基地からドローンを飛ばして被災地を空撮し、被災状況を把握するために地図を作製するそうですね。もし東京で大きな地震が起きれば、全国にある基地からドローンが飛んでくるといったイメージでしょうか?
古橋: いえ、そうではありません。ドローンバードが動き始めると、基地に行けば機材もそろっているでしょうし、ドローンを操縦できる人もいるでしょうし、地図を描くマッパーもいるでしょう。災害が起きたときには基地からドローンを飛ばすだけでなく、被災地の近くに住んでいる人たちがドローンを飛ばして撮影をする。また、ドローンバード隊員を育成するので、彼らが撮影した情報を受けて、世界中にいるマッパーが地図を作っていくといった感じですね。
土肥: 災害が起きると、ドローンを飛ばす、被災地を空撮する、そして地図ができる。ということことですが、その地図はどのように使われることを想定していますか?
古橋: 災害が発生した当初は、現場がどうなっているのか分からないので、救援活動などを行う人たちに地図を提供できればと思っています。ただ、今のところ日本赤十字や国境なき医師団日本などと提携していないので、まずは私たちの活動を知ってもらわなければいけません。ちなみに、自衛隊は私たちが作った地図は使わないと思う。というのも、自衛隊には「地理情報隊」という専門部隊があって、そこが作成した地図を使う。東日本大震災のときも地理情報隊の地図を印刷して使っていました。
あと、タイミングによって必要な地図は違うんですよね。先ほども申し上げましたが、災害が発生した当初は、どこの道路が通れるのか、建物は大丈夫なのか、といった情報が必要になりますが、時間が経つと必要とする先も変わってくるんですよ。
土肥: どういう意味でしょうか?
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