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» 2016年01月05日 07時00分 UPDATE

世界三大珍味の1つ:あの下町ロケットの企業が養殖?! 国産キャビア誕生秘話 (1/3)

チョウザメの卵で世界三大珍味の1つ、キャビアの国産化が熱を帯びている。大阪の精密バルブメーカーのフジキンが独自の養殖施設を開発し、キャビアの生産に成功。養殖施設は山間部でも整備できるため、地方創生の切り札になると期待されている。

[産経新聞]
産経新聞

 チョウザメの卵で世界三大珍味の1つ、キャビアの国産化が本格化している。先鞭をつけたのは、人気ドラマ「下町ロケット」の撮影に協力したことでも知られる大阪の精密バルブメーカー、フジキン(大阪市北区)だ。バルブ技術を駆使して独自の養殖施設を開発し、民間企業として初めて国産キャビアを生産した。宮崎県や島根県などでは養殖事業が立ち上がり、政府は9月、国産キャビアの輸出を解禁した。養殖施設は山間部でも整備できるため、地方創生の切り札になると期待されている。(栗井裕美子)

バルブ技術

 キャビアはチョウザメの卵を塩漬けにして生産している。ロシア産などが有名で「黒い宝石」と呼ばれ高値で取引されている。チョウザメは乱獲されて個体数が減少しており、絶滅の恐れからワシントン条約で国際取引が制限されている。

 フジキンがチョウザメの養殖事業に乗り出したのは平成元年。同社は茨城県つくば市の研究拠点にプロジェクトがスタートした。

 その2年前、同社の最高技術顧問だった第1次南極越冬隊長として有名な故・西堀栄三郎氏から「フジキンのバルブ技術を使えばチョウザメの養殖ができるかもしれない」と参入を勧められたのがきっかけだ。

 旧ソ連の養殖場の見学で広大な土地と大量の水が必要なことが分かった。そこで水の流れを制御するバルブの技術を駆使して、コンパクトにチョウザメを養殖できる設備の開発に取り組み、排せつ物を効率よくろ過・洗浄する仕組みを考え出した。平成4年に民間企業として初めてチョウザメの人口ふ化に成功した。

 現在は数万匹を養殖し、全国の自治体や企業などに稚魚を出荷している。

フジキンが養殖したチョウザメの身とキャビア(フジキン提供)
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