注目 タレントマネジメントを導入する企業

タレントマネジメントを実践する企業の実情(6/6 ページ)

» 2016年01月08日 11時00分 公開
[井口裕右ITmedia]
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今後のタレントマネジメント

――最後に、今後のタレントマネジメントについて話を聞かせてください。

渕田氏: 企業はタレントマネジメントを導入せざるを得ないのではないかと思っています。人材の能力をもっと引き出すためには、企業が今まで以上に人材一人ひとりにフォーカスを当てていかなければならないのではないでしょうか。しかし、企業によって何にフォーカスを当てるのかも違えば、そのやり方も違ってきます。

 タレントマネジメントはただトップ人材を選別・育成する方法ではなく、その方向性は企業の指向性に応じて2〜3に分類されてくるのではないかと思います。タレントマネジメントの議論は、改めて人材を考え、育成制度を見直すいいきっかけになるのではないかと思います。既に「タレントマネジメントを実践している」企業も、改めて手段ではなくその理由や目的を見直し、整理することをお勧めします。

 また、業務の現場や人事部門も変わっていかなければいけません。現場は、個人の特性を正確に把握して、人材の能力を伸ばしどのように育てていくかを、責任を持って真剣にやっていく必要があります。本人も「なりたい姿」を明確に描いて、それを共有して達成に向けて協働していくことが重要なのです。そして人事部門は、労務管理や制度の構築といった業務だけでなく、視点を「人材を知る」「人材を生かす」といった人材管理へと移していく必要があります。

 人事が人材の強みを知ることで、現場の上司をサポートできるということもあるでしょう。本来ここは、企業の人事が強かったところでもあります。しかし、今は経営のスピードが速くなってできていません。人事部門には、人材の特長をつかみそれを現場の上司や経営層に伝える能力が今まで以上に求められます。データベースに構築される情報と人事部門が持つ人材の“生の情報”を合わせることで、その人材の本当の姿を知ることができるのです。

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