コラム
» 2016年01月14日 06時17分 UPDATE

高齢者4〜5人に1人は貧困状態:1億総中流の将来は「下流老人」? 現役世代が立つ絶望の入り口 (1/4)

高齢者の貧困を描き、大ヒットとなった『下流老人』。著者の藤田孝典さんは講演会でそう切り出した。タイトルは流行語大賞にもノミネートされた。藤田さんによれば、下流老人の入り口に立つ現役世代は少なくないという。未来には絶望しかないのだろうか。

[産経新聞]
産経新聞

 「皆さん、絶望してください」。高齢者の貧困を描き、20万部を超える大ヒットとなった「下流老人」(朝日新書)の著者は平成27年12月、大阪市内で開かれた講演会でそう切り出した。生活困窮者らの支援に取り組むNPO法人「ほっとプラス」(さいたま市)の代表理事、藤田孝典さん(33)だ。「年収400万円でも将来生活保護レベルの暮らしに!?」と、衝撃の内容で話題をさらった本作。タイトルはそのまま流行語大賞にもノミネートされた。藤田さんによれば、少なくない現役世代が下流老人の入り口に立つ。未来には絶望しかないのか。

高齢者4〜5人に1人は貧困状態

 藤田さんによると、下流老人とは「生活保護基準相当で暮らす高齢者や、その恐れがある高齢者」を指す。(1)収入が著しく少ない(2)十分な貯蓄がない(3)頼れる人がいない――のが特徴で「あらゆる社会的なセーフティーネットを失った状態」という。

 「下流」というあまりにもストレートな表現ゆえに反発も多いというが、日本の現状と将来の危機の一つの側面を表す言葉なのかもしれない。かつては「1億総中流」と呼ばれた時代があった。多くの国民が自分は中流階級だと感じていたが、バブル崩壊後、そんな意識は大きく変化した。

 下流老人では日本の貧困率を示すデータとして、内閣府の平成22年版男女共同参画白書を引用している。それによると、65歳以上の高齢者の相対的貧困率は22%で、4、5人に1人は貧困状態ということになる。

 高齢世帯の貯蓄額にしても、厚生労働省の26年国民生活基礎調査によると「貯蓄がない」が16.8%、「500万円未満」が26.8%に上る。実に4割以上の高齢者が、十分な蓄えもなく生活しているのが現状だ。

ks_karyuu01.jpg 生活保護受給者数の推移。平成25年度には216万1612人と過去最多を記録している。20〜30代の若い世代も、今から「下流化」を防ぐ準備を行う必要性が高まっている
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