コラム
» 2016年01月14日 06時18分 UPDATE

クラスの80〜90%が丸文字:「丸文字」は消えたのか LINEの「絵文字」に生きる“かわいい”精神 (1/4)

昭和50〜60年代。女子中高生たちが書いた文字は「丸文字」と呼ばれた。当時、学生だった女子たちも今や40〜50代。彼女たちは今でも丸文字を書けるのだろうか。

[産経新聞]
産経新聞

 今から30年以上前の昭和50〜60年代。女子中高生たちが書いた文字は、「丸文字」と呼ばれた。ひらがなの丸い部分を強調したり、本来四角い漢字の一部分を丸くしたりした。その醸し出すイメージはずばり「かわいい」。歌手、松田聖子さんの若い頃の髪形「聖子ちゃんカット」やファンシーグッズがはやった時代のキーワードで、ノートをとるときや交換日記などで用いられた。だが、いつの間にか使われなくなった。PCやスマートフォン、ダブレット端末の普及で、書くことよりも「打つ」ことが日常化した現代。丸文字は消えたのだろうか。(張英壽)

定規を置いて書いた昭和50〜60年代

 丸文字。現在、一般的にそういわれるが、はやっていた当時は、マンガ文字や丸字など、さまざまな呼ばれ方をしていた。その時代、中学生、高校生だった女子たちも今や40〜50代。当時をどう思い返すのか。あるいは今も丸文字を書けるのか。そんな疑問を持ち、まちで人々に聞いてみることにした。

 大阪・ミナミの南海難波駅前。40〜50代と思われる世代の女性を中心に、この丸文字について尋ねてみた。

 「『丸文字』?。久しぶりに聞きましたね。懐かしい」と話してくれたのは大阪市天王寺区の無職女性(48)。「中学から高校まで書いていた。丸文字は私の世代がピークだった」。中学生のときは、学校の友達と交換日記もしていたという。「学年が2年の上の兄も書いていました」とも。男子にもこのかわいい文字を使う人がいたのだ。

 この女性は丸文字の上達の方法として「定規を下に置いて書く。そうするとうまくなるといわれていた」と思い出す。丸文字の基本は横書き。これで字体がそろうのだろうか。女性の兄も同じように定規をあてていたという。ただ「就職してから丸文字はやめた」といい、現在は書けない。

 大阪府東大阪市の40代後半の女性会社員も現在は書かないが、中学から高校まで丸文字を使っていた。「クラスの80〜90%くらいは丸文字だった」。友達との交換日記にも取り組んだという。

 30〜40代の女性に聞くと、交換日記の経験はほぼ共通していた。女子同士が日記を交換し、一日の出来事や、彼氏のことなど「2人だけの秘密」のやりとりをする。そこには丸文字がふんだんに使われていた。

 また若いころ丸文字を書いていた女性も、働いたり大学生になったりしてからは普通の字体にし、いまは書けないとの回答が多かった。

 一方、より年齢が高い50代で、会社に入ってから丸文字を書くようになったという女性もいた。大阪府岸和田市の女性会社員(58)は中学や高校ではなく、「会社に入ったばかりの20代のころ、かわいいと思って書いたことがある」と打ち明けた。昭和50年代で、流行していた時期だ。

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