B2Bのコンテンツマーケティングにおいて、効果的な、すなわち集客から関心喚起へとつなぐコンテンツライティングをするためには、次の3つカテゴリーの能力が必要だ。
マーケティング能力が必要なのは、当たり前の話である。その企業が置かれているビジネス環境をマクロ(PEST分析)とミクロ(3C分析)で理解しておかなければ、コンテンツを書く背景が分からない。競争環境については5F分析まで突っ込んでおき、単なるSWOTではなくクロスSWOTに基いて、マーケティング戦略の肝となるSTPを再確認し、仮想顧客のペルソナを描いておく。ここまでの一連の作業を行って初めて、コンテンツライティングを進める上での核心となる「顧客の課題=検索キーワード」をあぶり出すことができる。
準備をして状況を頭に入れた上で、顧客インタビューを行う。あらかじめ想定しておいた顧客の課題を参考にしながら、新たな課題や意外な使用法などを引き出すためには、臨機応変に対応して話を聞き出す技術が必要だ。相手(顧客)が、その分野でのプロであることを踏まえるなら、インタビュワーにもそれなりのキャリアが求められるだろう。
その上でのライティングである。文章そのものが読みやすいことは大前提であり、記事タイトル、リード、本論とまとめで語るべき内容(これこそがコンテンツだ)が適切なキーワードともにまとめられていなければならない。特にB2Bに限れば、マッキンゼー式ピラミッドライティングがふさわしいだろう。
こうして作られたコンテンツは、営業マンの代わりをしてくれる。仮に一本の記事で、一件の受注につながっとしよう。その費用対効果は、どれぐらいと見積もれるだろうか。これはケース・バイ・ケースだから、ぜひ、貴社の営業マンの人件費と経費を頭に思い浮かべて計算してほしい。
しかも、作られたコンテンツは、対象となる製品・サービスが廃番にならない限り、将来に渡って顧客を連れて来てくれる可能性がある。優れたコンテンツは資産となるのだ。従ってコンテンツライティングを、仮に外注するとすれば、そこでは費用対効果をきちんと考えるべきである。
間違っても「一本何百円で書きます」を売りにする相手に頼むべきではない。マーケティングリサーチをし、顧客取材を行った上で書くコンテンツである。一連のプロセスを進める上で、自社のマーケティングサイクル改善につながる、顧客インサイトまで引き出してくれるインタビュワーであるかどうか。ここまでをしっかり判断した上で頼むべきだ。
さて、こうしたコンテンツが、御用聞きレベルから情報提供型営業マンの代わりをする。すると必要なのは、コンテンツから得た情報を元に、相談のできる相手である。コンサルティング営業こそは、コンテンツ・マーケティング時代に求められる営業であり、それ以外の営業は「………」となる。(竹林篤実)
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