コラム
» 2016年01月15日 07時00分 UPDATE

トンネルの長さは1.8キロ:「風水的によくない」――広島都心の高速トンネル計画、「鬼門」理由に住民が反対!? (2/5)

[産経新聞]
産経新聞

公社は着工を決断

 こうした反対運動を受けトンネル着工はこれまで3回延期。5号線は当初の19年度の完成予定から大きく遅れている。

 そこで今回、公社はより止水性の高いシールド工法を採用。市と県もトンネル上の宅地が2.5センチ沈下した場合、県土地開発公社が買い取る措置を住民に提案するなど対策をとった。住民側にも「1号線まではひどくならないだろう」との見方が出てきたことから、公社は27年から工事の発注作業を開始した。

「風水」では「鬼門」

 そんな中、全く違う観点から、トンネル工事に反対の声を上げる人が出始めた。主に「風水」を重視する人たちだ。彼らはトンネルが貫通する尾長山と二葉山が広島城(同市中区基町)北東の「鬼門」に当たり、「トンネル建設は広島市とそこに住む人たちから力を奪う」と主張している。

 広島城は1589年、毛利輝元によって築城された。その時の城下町が現在の広島都心の基礎となり、城の周辺には県庁や合同庁舎が立ち並ぶ。かつて広島東洋カープの本拠地だった旧市民球場もこのエリアにあった。基町からやや南東の八丁堀までの一帯が広島最大の都心部で、八丁堀には百貨店などがあり、その南は中四国最大の繁華街の流川だ。

 地元の風水愛好家らは、鬼門にある二葉山などに穴を開けるのは、広島の繁栄を妨げると声をあげている。一見突拍子もない意見だが、実際、二葉山の麓には鬼門を封じるかのように、10を超える寺社が立ち並ぶ。「神様のいる場所を掘ってよいのか」という意見もあり、この風水的見地からの反対は次第に広がりを見せている。

広島東照宮(奥)が建つ二葉山で行われている広島高速5号線の工事。ここでトンネル建設が始まる=広島市東区

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