いまのような歪な形で年金が運用されていくと、そのうち大失敗して、資金も枯渇し、そのうえ高齢化で年金は破綻してしまうのではないかと考える人も多いでしょう。
けれど、日本の年金は破綻することはありません。なぜなら、支給年齢を上げ、給付をカットし、保険料を上げることで収支を改善する仕組みを作っているからです。実際、支給年齢は65歳に引き上げられ、マクロ経済スライドによる支給額の実質カットや、2017年まで続く保険料の引き上げなどが行われています。
他にも、年金制度を維持するために、政府は税金を使って年金を補填(ほてん)します。実際、2015年度予算は約96兆円ですが、その約3分の1の31兆円が社会保障費で、その中の約3分の1は一般会計から年金特別会計への補填です。
額は約11兆円。前年より約3000億円増えています。介護や医療の出費に比べて、年金への補填額は、現在でも断トツに多いのです。
さらに、ここにきて、大量のパートを社会保険に加入させる政策が出てきました。厚生労働省は、600万人のパートを年金に加入させることを目標としています。このように、政府は年金制度を維持するための仕組みを作っています。
しかし、状況が悪化すれば破綻はしなくても支給額はもちろん減ります。私たち、特に若い人たちは、今以上に年金支給額を減らされる状況になることは覚悟しなくてはなりません。
そこで、公的年金だけでは不安なので自分で「個人年金」に加入しようと考える人も多いと思います。ただ、個人年金のデメリットについて理解しておく必要があるでしょう。
次回は「個人年金がお勧めできない理由」についてお話したいと思います。
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