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» 2016年01月25日 07時50分 UPDATE

累計出荷数が10億食を突破:発想転換で大ヒット 「マルちゃん正麺」を生み出した東洋水産 (1/3)

東洋水産の「マルちゃん正麺」が即席めん市場で存在感を放っている。幅広い層から人気を集め、販売開始から約4年で累計出荷数が10億食を突破。ヒットの裏には“小腹を満たす”という袋めんの概念そのものを壊す発想の転換があった。

[産経新聞]
産経新聞

 東洋水産の「マルちゃん正麺」が即席めん市場で存在感を放っている。老若男女を問わず幅広い層から人気を集め、販売開始から約4年で累計出荷数が10億食を突破する大ヒット商品となった。ヒットの裏には“小腹を満たす”という袋めんの概念そのものを壊す発想の転換があった。

※マルちゃん正麺=東洋水産が平成23年11月に発売した即席めんシリーズ。袋めんだけではなく、26年10月には煮込みラーメン「煮込んで食べるマルちゃん正麺」シリーズ(税抜き価格は322円)、27年10月にはカップめん「マルちゃん正麺カップ」シリーズ(同205円)を投入した。同社では同ブランドの横展開を進めている。

袋めんの概念を変える

 「果たしてこのままで大丈夫だろうか」

 東洋水産の即席麺部商品開発一課の隅田道太氏はかつて商品開発に携わる袋めんの将来に危機感を募らせていた。

 お湯を注ぐだけで食べられるカップめん市場はその手軽さが受け、昭和46年の登場以来、右肩上がりで伸びている。一方、日本即席食品工業協会によると、調理しないと食べられない袋めん市場は47年の37億食をピークに年々減少、平成22年には約16億8000万食とピークの半分を下回った。

 袋めんはカップめんのように具や容器の形状・素材などで競合商品との差別化は難しく、販売の最前線では採算を度外視した激しい価格競争を繰り広げていた。

 東洋水産はカップめんでは「赤いきつね」や「緑のたぬき」といった看板ブランドを抱えている。袋めんは地域ごとに強いブランドはあったが、全国的に強い有力ブランドが育っておらず、サンヨー食品の「サッポロ一番」、日清食品「チキンラーメン」などの後塵を拝していた。「社内には何ともいえない閉塞感が漂っていた」と隅田氏は当時を振り返る。

 まだ、やれることはたくさんあるはず――。社内では、こんな機運も高まりつつあった。転機となったのは今から10年前。東洋水産の総合研究所で新たなめんづくりのプロジェクトがスタートした。

 途中から隅田氏ら即席麺部商品開発一課なども合流。「夕食に出しても家族が怒らない。そんな袋めんを作ろう」(隅田氏)。袋めんの概念そのものを大きく変える方向に舵を切った。

ks_rahmen03.jpg 「マルちゃん正麺 しょうゆ味(5食パック)」。発売から約4年で累計出荷数は10億を突破した
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