「SMAPは友情と打算の二重構造」と感じる、これだけの理由スピン経済の歩き方(5/7 ページ)

» 2016年01月26日 08時00分 公開
[窪田順生ITmedia]

クーデターを鎮圧した者が権力を握る

 ただ、このような類似点もさることながら、二つが重なって見えるのは、「クーデターを鎮圧した者が権力の階段をかけあがる」という点だ。

 先の草なぎくんの謝罪にもあったように、今回の「解散騒動」をおさめたのは、4人とメリー副社長の間をとりもった木村拓哉さんだとされている。確かに「公開謝罪」でも木村さんはセンターに立ち、詫びを述べる4人とは対照的に、「まあオレの顔に免じて許してやってください」と言わんばかりの堂々とした態度に、少なからず違和感を覚えた視聴者も少なくないはずだ。

 「木村さんがクーデターを鎮圧した」というイメージをさらに補強するのが、『週刊新潮』のメリー副社長インタビューだ。このなかで、副社長は、木村さんの奥様である工藤静香さんと頻繁に食事を行う間柄であることを明かし、「マッチ(近藤真彦)のところだって、ヒガシ(東山紀之)のとこだって、他のタレントだって同じようにしていますよ」とことも無げに言い放っている。これはつまり、メリー副社長が「ジャニーズのトップ」と太鼓判を押す近藤さんや、「大幹部」と目される東山さんと、木村さんが肩を並べる「出世ライン」にのっているということを意味しているともとれなくもない。

 そんな立場の人が、事務所のガバナンスを揺るがす「有力グループの独立」を阻止する。一般企業の感覚でも二階級特進、一気に経営幹部へと引き立てられるのは間違いない。

 実は「加藤の乱」でも、木村さんと同じような立ち振る舞いをしたことで権力にぐんと近づいた政治家がいた。

 小泉純一郎氏である。

(出典:週刊新潮 2016年1月28日号)

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