同社は上司と部下のコミュニケーションを深めるために、「1on1」と呼ぶ1対1の面談を週に一度、定期的に行っている。この面談が、上司と部下の信頼関係を築くとともに、部下の「ポテンシャル」を最大限に発揮させる環境を作り出しているという。
ヤフーが1on1の取り組みを始めたのは3年前。小向氏はその取り組みの背景について「3年前に経営体制が変わり、スピード感のある事業運営が求められるようになりました。そのためには上司と部下のコミュ二ケーションが重要な課題になります。しかし、私たちはそれができていなかった」と振り返る。
「部下と上司のコミュニケーションがしっかりしていれば、経営陣側が考えていることを現場に伝えやすくなり、現場が考えていることも吸い上げられます。これができていないとトップダウン型の組織になってしまうわけですが、そんな体制ではスピード勝負のベンチャー企業との戦いに勝てません」(小向氏)
社内で行ったアンケート調査の結果、いわゆる職人気質の上司が多いことが分かり、きちんと部下をフォローする環境が整っていないことが明らかになった。上司と部下が目標設定や評価の時期以外、全くコミュニケーションをとらない部署もあり、このままではトップダウン型の組織になってしまう恐れがあった。そして何より、「部下の成長」という観点からも改善が急務だった。
そこで「才能と情熱を解き放つ」というコンセプトのもと、部下の能力を最大限に引き出すために始めたのが、上司と部下が1対1で話す1on1だった。
この1on1のコミュニケーションは、単なる世間話で終わっては意味がないことから「コーチング」の技術を取り入れ、“部下の仕事に対する考えを引き出す”ことを重視している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PRアクセスランキング