進むクラウド化、デジタル化―最新会計ソフト活用で業務効率アップ

確定申告をなるべく手軽にクリアしよう! 「やよいの青色申告オンライン」編本当に“使える”会計ソフトを探せ(2/3 ページ)

» 2016年01月27日 08時00分 公開
[宮田健ITmedia]

 次に、毎月の経費を今回は「仕訳」という形で入力します。こちらも入力のテストということで、大変ざっくりと金額を入力しています。今回は1月分だけを入力していますが、経費は毎月、まとめて入力します。もちろん、ここで入力しただけでなく、かかった費用の証憑であるレシート、領収書はすべて保管していることが大前提です。

photo 経費をざっくりとまとめて入力。各項目の明細は帳簿に記録しないものの、必ず証拠となるレシートは保管しておくこと。

 私のようなフリーランスのライターにとって、10万円以上の固定資産を買うことはほとんど無くなりました。私が2015年に購入した10万円以上の物品は、毎年発売されているiPhoneのみでした。今回、固定資産登録の例として、iPhoneを購入した場合を入力してみましょう。これは「高度なメニュー」から、固定資産の登録」を選びます。

 まずは科目を「工具器具備品」とし、取得日(購入日)を入力。取引手段と価格を入力します。

photo 固定資産の基本情報を入力する

 次に、償却方法を選択します。青色申告を行っている場合、単価が30万円未満の新品(年間300万円以内)であれば、全額を経費にできる特例があります。そのため、固定資産の登録は必要ですが、難しい減価償却の処理は必要ないのがポイント。ここでは「即時償却」を選びましょう。これこそ、青色申告を選択する大きな利点となります。

photo 青色申告を行っており、30万円以内の物品ならば「即時償却」で処理はほぼ完了。
photo これで登録

 いかがでしょうか。確定申告のためのポイントは、何よりも「売上は1円たりとも間違ってはいけない」こと。この数字は取引先から届く支払調書を元に、何度もチェックすることをお勧めします。

確定申告作業は「会計ソフト」なしにはもう無理?

 では、早速この「最低限の帳簿」を元に確定申告書類を作ってみましょう。こちらも2014年度とほとんど変わりません。そんなに毎年変わっていては大変ですからね。では、もう一度そのフローを見てみましょう。

 まずは左側のメニューから、「確定申告」をクリックします。まずは基本情報の入力です。昨年も同じソフトを使っていたら、この部分はほとんど入力することはないでしょう。その後、「売上・仕入」の確認、かかった経費を事業用/家事用に分ける「家事按分」、その他のチェックを1画面ずつ確認して進める仕組みになっています。それぞれいま「青色申告決算書のどの部分を記入しているか」に加え、「なんのために必要なのか」というガイドも書かれています。一度でも確定申告作業を行っていれば、ほとんどクリックするだけで最終的な書類が作成できます。

photo まずは氏名や屋号などの基本情報の確認から
photo 決算時(確定申告時)に突然登場する「家事按分」の考え方についても、かなり詳細に解説が入っている。
photo 売上の内容を確認。今回の入力方法では売上が1つに集約されているため、月別売上の内容は集計された結果のみが印字されることに注意。本来であれば売上集計も毎月行うべきだろう

 確定申告の作業は確かに悩ましくありますが、会計ソフトを利用することで、頼もしいガイドを得ることができます。まずはこの作業をウィザード経由でこなし、一通りの書類を作り出してみてください。ヘルプデスクが利用できる「ベーシックプラン」に加入していれば、サポート窓口経由で問い合わせもできます。特にやよいといえばこの業界の老舗で、サポート品質も大きな売り。せっかくサポート込みの利用料金を支払っているのですから、利用しない手はありません。

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