コーヒーそしてドーナツの次は? コンビニでヒットしそうな商品コンビニ探偵! 調査報告書(5/5 ページ)

» 2016年01月28日 08時00分 公開
[川乃もりやITmedia]
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「プチぜいたく」のポジションを求めて

 ここで、筆者が作成したグラフを見てほしい。「アイスクリーム」に注目してみると、数年前から他のアイスと比べて売り上げが伸びていることが分かる。アイスクリームには、ハーゲンダッツのような価格がやや高めの商品が多いが、これらの売り上げが伸びている。これはどういうことなのか。

 コンビニで販売されているアイスの多くは100円未満で買うことができるので、150〜200円の価格帯のモノはややぜいたく品になる。しかし、スイーツというカテゴリにおいてはケーキよりも安い。お客さんにとっては手を伸ばしやすい「プチぜいたく」品になるのだろう。

 そして、手軽なぜいたくを提供するのは、コンビニの得意とする分野でもある。挽きたてコーヒーを一般化させたコンビニが、アイスという手軽なぜいたくを見逃すはずはない。

 過去に失敗した単なるアイスではなく、高品質の本格的なアイスクリームならば「プチぜいたく」感を得られるだろうし、ディップタイプならばカウンターの一部を改装するだけで導入できるし、メンテナンスの手間も省けるし、バイトの技術も必要としない。

 本格的なドリップ式のアイスコーヒーを販売しているコンビニである。この先、コーヒーフロートの需要が高まるのも遠い話ではないだろう。コーヒーとアイスの組み合わせなら、アフォガード(※)という手もある。エスプレッソを抽出できるコーヒーマシンを設置すれば、本格的なイタリアのデザートが簡単にできてしまうのだ。

※アフォガード=アイスやジェラートに飲み物をかけたイタリアのデザート。日本では、バニラアイスにエスプレッソをかけたものが一般的。

 アイスクリーム専門店にとっては戦々恐々だろうが、専門店のお株を奪うのがうまいのがコンビニなのである。近い将来、アイスクリーム専門店とコンビニの間で“冷たい戦争”が起きるかもしれない。

著者プロフィール・川乃もりや:

 元コンビニ本部社員、元コンビニオーナーという異色の経歴を持つ。「タフじゃなければコンビニ経営はできない。優しくなければコンビニを経営する資格がない」を目の当たりにしてきた筆者が次に選んだ道は、他では見られないコンビニの表裏を書くこと。記事を書きながら、コンビニに関するコンサルティングをやっています。「コンビニ手稿


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