「最恐の殺人地域」を救うことができるのか 武器は日本の意外な“文化”世界を読み解くニュース・サロン(5/5 ページ)

» 2016年02月04日 08時00分 公開
[山田敏弘ITmedia]
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 事実、2014年のサッカーW杯の取材でブラジルを訪れた知人たちは声をそろえて、どこの国にもあるような治安の良くない場所や危険な場所に迷い込まなければ、とりあえずは問題ないと語っていたことを覚えている。

 だがそうはいっても、今回の犯罪都市リストを見ると、ワースト50のうち21都市がブラジルだという事実がある。また日本の外務省も、ブラジルについて「ブラジルにおいては、所得格差による貧困、麻薬の売買等に起因する殺人、強盗等の凶悪犯罪が多発しています。世界的に見てもブラジルの犯罪発生率は非常に高く、日本人の被害も多発しています」と、特別な注意が必要であると警告している。

 もちろん、今かなり大きく騒がれているジカ熱も、十分に注意する必要がある。だが同時に、中南米が世界最恐の殺人地域である事実も決して忘れてはいけない。妊婦ではない人であっても、中南米での油断は禁物だ。

筆者プロフィール:

山田敏弘

 ノンフィクション作家・ジャーナリスト。講談社、ロイター通信社、ニューズウィーク日本版に勤務後、米マサチューセッツ工科大学(MIT)でフルブライト研究員を経てフリーに。

 国際情勢や社会問題、サイバー安全保障を中心に国内外で取材・執筆を行い、訳書に『黒いワールドカップ』(講談社)など、著書に『モンスター 暗躍する次のアルカイダ』(中央公論新社)、『ハリウッド検視ファイル トーマス野口の遺言』(新潮社)がある。


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