「バイトテロ」「バカッター」が存在する、3つの背景新連載・炎上の火種(2/5 ページ)

» 2016年02月23日 06時13分 公開
[藤田朱夏ITmedia]

(2)リテラシーの不足

 これは(1)にも関連することだが、スマートフォンやSNSの急速な普及の一方で、その反動としてユーザーのリテラシーが追いついていない現状がある。バイトテロやバカッターで炎上を起こす人は大半が社会人経験の少ない若者だ。彼らはスマートフォンやSNSを使いこなすリテラシーは高いものの、リスクマネジメントに対するリテラシーが低く、自身の投稿が他人にどのように捉えられるのか、その結果どういう問題を引き起こしかねないのか、などの想像ができない。

 一方で、社会常識やリスクマネジメントに対するリテラシーを持ち合わせている大人は若者ほどスマートフォンやSNSを使いこなせないため、教えることができない。

(3)ネット炎上の大衆化

 「炎上」というものが出始めたころは、炎上を起こすのも、それを批判、拡散するのも、著名人やインターネットのヘビーユーザー層が中心だった。ところが、ネット炎上件数が増加し、炎上というものが大衆化したことで、これまでただの傍観者であったライトユーザーも、炎上につながりそうな問題投稿を探して広めたり、拡散に加担することに慣れるようになった。

 炎上にはタイムラグというものがあり、火種となる問題投稿があってから発見・拡散されるまでに通常、一定の時間があくことが多い。その間に対処をすれば炎上を防ぐことができ、6カ月以上空いたケースも少なくなかった。しかし、このようにネット炎上が大衆化したことで、タイムラグの間隔が短くなっているのだ。

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