土肥: 米国で20店以上を展開しているブルーボトルコーヒーは昨年2月に、東京の清澄白河に一号店をオープンしました。「コーヒー界のアップルがやって来るぞー」といった形で話題になっていたためか、オープン初日には大行列ができていました。そんな光景を近くで見ていて、どのようなことを考えていましたか?
井川: オープン前からたくさんのメディアに報じられていたので、「お客さまが全く来ない」とは思っていませんでした。ただ、数時間並ばなければコーヒーを飲むことができない……という状況は想像もしていませんでした。来店客数は予想より何十倍も多かったので、いきなりピンチに陥りました。コーヒーの豆は足りているのか? スタッフは足りているのか? 次の日の営業はやっていけるのか? といった感じで。
土肥: 以前、お好み焼き屋に行って、お好み焼きを注文したら「すいません、売り切れまして」と言われてびっくりしたことがあるんですよ。看板商品を出せないことってあるんだと。カフェへ行ったのに、看板商品のコーヒーを飲むことができなければ、多くのお客さんはガッカリするはず。
井川: コーヒー豆の袋売りをしているのですが、オープンしてから2〜3時間でその日の分が売れてしまいました。そこで、どうしたのか。翌日のモノを販売することにしました。そうすると、当然、翌日のモノがなくなりますよね。当社は焙煎してから48時間以内のモノを販売することにしているので、たくさんの在庫を抱えることができません。
コーヒー豆が不足する事態に対しては、焙煎量を増やすことでなんとかなりました。しかし、問題は袋詰めの作業なんですよ。袋売りのモノはすべて手作業でして、ハンコを押して、シールを貼って、袋詰めをして……といったことをしなければいけません。この作業に時間がかかるのですが、人手が足りませんでした。で、どうしたのか。店の近所に住んでいる人たちに声をかけて、10人以上に手伝ってもらうことにしました。
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