ブルーボトルコーヒー、この1年をすべて振り返る水曜インタビュー劇場(カフェ公演)(6/7 ページ)

» 2016年02月24日 08時00分 公開
[土肥義則ITmedia]

“ストーリーを伝える”ことにチカラ

井川: 以前、クリスピー・クリーム・ドーナツを上陸させたリヴァンプという会社で、新しく展開したアンティ・アンズというプレッツェル専門店が上陸するときに広報の仕事をさせていただきました。その後、丸亀製麺がハワイに飲食店を展開するときにもお手伝いをさせていただきました。

土肥: ブルーボトルコーヒーがオープンするときには、どのようなことを考えていましたか?

井川: 「ブームだけで終わらせたくない」という思いがありました。そのためにどんなことをしたかというと、“ストーリーを伝える”ことにチカラを入れました。例えば、創業者は40歳まで音楽家をやっていましたが、突然その仕事を辞めて、カフェを始めました。なぜ、カフェを始めたのか。コーヒーに対する想いであったり、モチベーションであったり、世界観であったり、そうしたことを伝えることにしました。また、なぜ日本でカフェをオープンするのか。そうしたストーリーをきっちり伝えなければ……という意識は強かったですね。

土肥: なるほど。ところで、井川さんはやっぱりコーヒーが好きですか?

井川: いえ、好きじゃないんですよ。

土肥: えっ、ブルーボトルコーヒーで取締役という肩書をもつ方が、コーヒーは好きじゃない?

井川: あっ、いや、その……好きなのですが、「詳しくない」という意味ですね(汗)。この会社で働く前は、普通に「コーヒーは好き」と言っていたのですが、今は気軽に「コーヒーは好き」と言えないんですよ。

土肥: どういう意味でしょうか?

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