お菓子のおまけ「キラキラシール」はこうして生まれた一大ブームの仕掛け人たち(2/3 ページ)

» 2016年02月25日 08時00分 公開
[金居裕作ITmedia]

クレジットカードに使う技術を応用

 このプリズムシールに続いて子どもたちを熱狂させたのは、第6弾ヘッドとして登場した「ブラックゼウス」だ。これは当時DNPでも主にキャッシュカードやクレジットカードの偽造防止を目的として製造していたホログラムフィルムをシール化したものである。

今でもコレクターからの人気が高い「ブラックゼウス」 今でもコレクターからの人気が高い「ブラックゼウス」

 このシール開発の背景には、何とか会社の技術やノウハウをビックリマンシールで使えないかという関係者の思いが結実して製品化されたというのがある。その分、開発は難航を極めた。

 シール製造過程において、キャラクターおよび背景イラストを平面積層化する撮影、平面積層化(3層)した撮影データを基に、印刷に落とし込むために加工する製版データ作り、製版に要する時間や労力は通常のシール製造と比べてはるかに大変だった。

 また、初期のシールはピッチ寸法の精度が正確ではなく、巻取りで粘着加工して平版に落とす際、絵柄に合わせてシートカットする、つまり目視断裁が必要だった(現在ではこの技術を持つ加工所はほとんどないと思う)。そのため、生産スピードが上がらず大量生産が難しかったが、関係各所への働きかけとその尽力もあって何とか実現できていた。今でもビックリマンファンの間で人気が高いため、今後の復活があるかもしれない。

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