お菓子のおまけ「キラキラシール」はこうして生まれた一大ブームの仕掛け人たち(3/3 ページ)

» 2016年02月25日 08時00分 公開
[金居裕作ITmedia]
前のページへ 1|2|3       

シールの商品開発もまだまだ進む

 第11弾では、従来のプリズムタックに替わる新しい提案として、シルク印刷による特色とEプリント印刷が採用された。これはシルク印刷の厚盛りにより、通常(厚盛りでない)部分との質感の違い、凹凸間を表現した加工のことである。このときのヘッドは「ゴーストアリババ」である。部分的にザラッとした風合い、見た目の格好良さで人気を博し、現在の「ビックリマン伝説」シリーズや「スターウォーズビックリマン スペシャルエディション」でも採用されている仕様(印刷方法)なのだ。

ゴーストアリババ ゴーストアリババ

 悪魔VS天使シリーズは、発売して30年以上の歴史を持つロングセラー商品である。筆者はそのうちの一部しか担当をしていないが、担当するようになった2008〜2009年は、ブランドとしてかなり苦しい時代だった。商品化もブランド露出も少なく、世間的には「ビックリマンチョコ=懐かしいシール付き菓子」に過ぎなかった。

 ところが近年、数々の話題コンテンツとのコラボ商品発売や、2014年の発売30周年をきっかけにしたさまざまなプロモーション活動により、驚くほど活性化している。実際、この仕事に現場でかかわっていて、その盛り上がりを肌で感じるようになった。

 コラボ商品のヒットなどにより若年層にも広く認知されるようになってきているが、DNPとしては「ビックリマンならではのシール」作りによって、もっとファンの裾野を広げていきたいと考えている。48mm×48mmという限られたスペースにどんな新しいエッセンスや魂ものを吹き込めるか、どうすれば顧客が童心に戻ってつい集めたくなるようなシールを作れるか、そこを一番に追求して取り組んでいきたい。

著者プロフィール

金居裕作(かない ゆうさく)

大日本印刷株式会社 包装事業部第5営業本部営業第2部第1課

2000年に大日本印刷入社。同年、包装事業部に配属となり、食品メーカーを中心に包装資材(パッケージ)や販促・プロモーション等の営業に従事。現在は「ビックリマンブランド」を中心にチョコレート商品全般の業務を担当。


前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.