こうした調査を踏まえて、学生たちはテーマを「セブンへの対抗策」から「セブンとの差別化策」に変更しました。つまり、圧倒的に強い王者に対して正面からぶつかっても勝てないと判断したわけです。
さらに、ミニ・ストップが流通業界で大きな影響力を持つイオングループであるという点を加味し、大きく分けて2つの差別化策が提案されました。
調査結果を見ると、セブンのお弁当に対する消費者の評価は、極めて高いものでした。前述した通り、セブンの食品には鮮度のよさや保存料使用の最小化が可能といった強みがありますが、それは独自の配送システムにより実現されています。そして、8分の1の店舗数しかないミニ・ストップが、セブンと同じような配送システムを構築するのは現実的ではありません。
こうした事情を踏まえて、「中国地方を基盤とするポプラのように、店内調理のお弁当を提供してはどうか」という差別化策の提案です。イオンには、関東を地盤とするオリジン東秀という弁当チェーンがあり、グループ内のシナジー効果も期待できます。
現実には、すでにミニ・ストップとオリジンの間で業務提携が行われていましたが、この提案が導き出されるまでの思考プロセスは大変興味深いものでした。
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