突然だが、あなたはソフトクリームを買った直後に落としてしまったことはないだろうか? 大人になってからはともかく、まだ子どもだったころは苦い経験をした人もいるだろう。
そういうとき、ほとんどの店ではソフトクリームを作り直してお客さんに提供している。今や「当然だ」と思う人も少なくないだろう。
しかし、よく考えてみてほしい。これは、実際にお金のやりとりがないだけで、全額返金と変わらない行為であり、“神対応”から生まれた好ましくない環境であるということを。
あくまでも筆者の推測だが、落としてしまったソフトクリームへの最初の神対応は、子どもに対しての行為だと考えている。
子どもが買ったばかりのソフトクリームを落としてしまい、ただでさえ悲しいのに「もう、何やってんの! ちゃんと持ってないとダメじゃないの!」と親からは追い打ちをかけられる。子どもも、ソフトクリームは食べられないわ、親から怒られるわ、まさに踏んだり蹴ったり。そこに、優しい店員さんが新しいソフトクリームを差し出してくれる――。子どもにとってその店員は、まさしく“神”だ。
ところが、最近では子どもに限らず、これが普通の対応になってしまっている風潮がある。筆者がコンビニを経営していたときの話だが、プリンやデザートを買った直後にお客さんがそれを落としてしまい、平然と交換を求めてこられたことがあった。お客さんが誤って自分で落としてしまったのでこちらに落ち度はないのだが、「えっ?」って表情でも見せようものなら、すかさず「サービスが悪い」と悪い評判が立ってしまう。
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