この取り組みで見えてくるのは、プロセスや手順に加え、判断基準や必要なものまで書かれた詳細なマニュアル。これがあれば、例えば担当者が変わったときにも、同じ仕事をするときに新しい担当者に引き継いでいくことができる。
まずは「目的・ゴール」「最終的なアウトプット」をはっきりさせた後、「プロセス/手順」を洗い出し、そのプロセスごとに「判断基準」と「必要なもの」を明確にする。そして、各プロセスで「これで良し」と自信を持って仕事を進め、アウトプットにつなげていく。これこそが、トヨタの新しい仕事の進め方、「自工程完結」だ。これによって、仕事はどう変わっていくのか。書籍で佐々木氏はメリットを掲げている。
これだけのメリットを実際に社内ですでに得てきたという。著書では、具体的な職場、仕事内容を挙げて、どのような課題感がある中で取り組みを進め、どのような結果を得ることができたのかが、詳細に記されている。
例えば、絶対に間違えられない膨大な量のつらい仕事を担っている部署があった。ここで行われたのは、仕事プロセスを分解するだけではなく、ストレスを感じているプロセスを洗い出すことだった。
そして、洗い出した20の業務プロセスごとに「◎:まったく問題なし」「○:ほぼ問題なし」「△:ちょっと不安あり」の3つの軸で評価していった。課題があるプロセスを「見える化」していったのだ。その上で要因を解析。業務プロセスは、その多くが改善された。
ほかにも、「やめられない仕事は本当にやめられないのか」を洗い出して、多くの業務改廃に成功した事例や、経験者しかできないと思われていた複雑な仕事が安心して引き継げるようになった事例などが紹介されている。
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