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半数が借金して大学へ行く時代に知っておきたいこと3分で読める 荻原博子の今さら聞けないお金の話(3/3 ページ)

» 2016年03月07日 08時00分 公開
[荻原博子ITmedia]
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返さなくてもいい、さまざまな奨学金制度

 子どもを大学に行かせようと思ったら、子どもがアルバイトをしたり奨学金をもらって何とかするということが大前提になりつつあります。

 実際、日本学生支援機構によれば、2012年度に奨学金を受給した大学生は52.5%と半数を超えています。奨学金の大部分は卒業後に返さなくてはなりません。学費の値上がりとともにその借入額も高額になっていて、総額が500万円以上の学生は2010年度には7431人でしたが、2014年度にはなんと2万2341人に急増しています。

photo 日本学生支援機構

 ただ、実施している大学は少ないのですが、返済の必要がない奨学金もあります。例えば、早稲田大学は、約1200人を対象に年間40万円を支給。慶應義塾大学も約100人を対象に年間60万円(医学部90万円、薬学科80万円)を支給。明治大学は約1500人を対象に年間20〜40万円を支給しています。

 また、個人や企業、自治体が実施している奨学金もあります。「小野奨学会」は大阪府下の大学の在学生420人に月3万円を4年間支給。「JT(日本たばこ産業)国内大学奨学金」は、高校生40人、大学生10人に対し入学金から年間授業料、生活費の一部など、学業に専念するのに十分な援助をしています。東京都の「東京都地域医療医師奨学金」では、医学部生を対象に月30万円を支給。都の指定する、へき地診療所や救急病院などで一定期間勤務するなどの条件を満たせば返済が免除になります。

 他にも、「Uターン就職をすれば奨学金の返済を支援する」という自治体も増えてきています。例えば、徳島県の「奨学金返還支援基金」は、県内で働き続けることを条件に無利子の奨学金なら返済額の半分を、有利子なら3分の1を補助してくれます。

 最後に、これはご存じの方が多いかもしれませんが、各新聞社では、在学中に新聞配達業務を行う学生を対象に、学費の一部または全額を肩代わりする奨学金制度を創設しているところが多くあります。

 条件付きではありますが、こうしたさまざまな給付型の奨学金が増えつつあります。これらの活用は一考の価値ありしょう。

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