一流の目利きたちが、そこまで言うのならとエントリーを決意した大峽専務だったが、そう簡単にいくとは思わなかった。ピッティウォモは審査が厳しいことで知られていたからだ。何度かチャレンジしていればそのうち声もかかるだろう――。そんな気持ちで申請をしたが、すぐに案内がきた。ただ、問題は時間だった。
「案内がきたのが10月末で、本番は1月の頭。2カ月で製品を送ったり、英語のプレスキットをつくったりしなくてはいけなかったので、目がまわるほどの忙しさでした」(大峽専務)
そんな苦労の甲斐あって参加した檜舞台で、「OHBA」は大いに注目を集める。ファッションメディアはもちろん、イタリアの大手紙『コリエール・デラ・セラ』をはじめ多くの一般メディアでも取り上げられたのだ。
「そこで紹介されるのはやはりランドセルでした。私たちのランドマーク的な存在なので当然、ブースにも置いてある。ほとんどのメディアが撮影時には『ランドセルを持ってください』と頼んできましたね」
そのようにランドセルのイメージがメディアを介して拡散していく一方で、OHBAは世界の一流バイヤーやファッションジャーナリストたちから絶賛される。ファッション誌『ヴォーグイタリア』のシニアエディターであるサラ・マイノ氏もそのひとりだ。ブースで製品を手に取ってすっかり魅了された彼女は、その後わざわざ日本へ取材に訪れた。
「話をしているそばから、サラは撮影した写真をインスタグラムにあげていく。彼女のインスタは世界中のファッション関係者がチェックしていましたので、それでさらに問い合わせも増えました。『トレンド』というものはこういう風につくられるんだと思いましたね」
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