賭博問題からどう這い上がるのか 地に堕ちた読売巨人軍赤坂8丁目発 スポーツ246(2/4 ページ)

» 2016年03月09日 11時17分 公開
[臼北信行ITmedia]

膿を出し切っていたはずだったのに

 前回の賭博問題発覚後、巨人は全選手・首脳陣・球団職員ら計276人にヒアリングの調査を行い、すべての膿(うみ)を出し切っていたはずだった。

 そのヒアリングの調査結果として福田・笠原・松本竜の3選手が野球賭博に加えて「裏カジノ」で賭博をしていた事実も公表。巨人の一部選手間においては賭け麻雀や賭けトランプ、高校野球を対象にしたギャンブルをジャイアンツ球場のロッカールームでしていたことや、賭け麻雀には野球賭博に関与した3人の投手を含むおよそ10人が参加していた。

 また賭けトランプには11人の選手が参加し、大富豪やポーカーといったトランプゲームに1回1万円を賭けていたことなども含め、球団内で賭け事が日常的に横行していたことも明らかに。関わっていた選手の名前こそ非公表としたものの、当事者の選手たちに厳重注意を行ったことも球団側は合わせて発表していた。

 どうやら巨人サイドには「これだけ念入りな調査を行ったのだから、もうクロの人間は間違いなくいない。きっとこのまま野球賭博問題は沈静化するだろう」といった慢心のようなものがあったという指摘も耳にする。しかし現実はそう甘くはなかった。

 これによって念入りだったはずのヒアリング調査が、実際にはまったくといっていいほど機能していなかったことも判明した。しかも今回の高木の野球賭博問題への関与は『週刊文春』の取材によって明らかになったものだ。裏を返すと『週刊文春』にキャッチされなければ、おそらくずっと闇に埋もれたままの話だったのだ。

 そう考えると高木のように球団のヒアリング調査に対して平気でウソをついていた選手が、まだチーム内にノホホンと残っている可能性も否定できない。

新たな「賭博問題」発覚を受け、読売巨人軍は「お詫び」を発表した(出典:読売巨人軍)

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