企業活動におけるコミュニケーションでは、相手や場面に応じて、どのように表現すると効果的なのかを考える力が求められる。その能力は文章力と結びついている。
考えてみていただきたい。自分のコミュニケーション能力に自信がない人は、文章力にも自信がないのではないだろうか。あなたの周囲にいる提案書がうまく書ける人とは、コミュニケーション能力も高いのではないだろうか。
本稿では新人研修を行う人事担当者や、コミュケーション能力を高めたいとするビジネスマンに向けて、文章力の大切さと文章力向上のための方法を示していきたい。
最初に「文書」と「文章」の定義についてあらためて認識していただきたい。「文書」とは書かれた書類を指す。書類なので、文書と言うときは、言語で書かれた内容だけでなく、書類としてのデザインなども含めて対象となる。
他方、「文章」とは言語で表現されたものを指す。言語表現なので、例えば、同一の文字列がA4判とB5判に印字された場合、両者は同じ文章といえる。しかし、同じ文書とはいえない。
さて、本題に入る。約30年前、筆者は日本商工会議所が主催していた日本語文書処理技能(ワープロ)検定にかかわっていた。その検定の試験科目に文書を作成する課題があった。
当時よく耳にしたのが、「社員の文章力がないので困る」という、企業上層部の声であった。その悩みは30年たっても解決していないようだ。多くの社員の文章力は向上していないらしい。それはなぜだろうか。また、このまま放置しておいていいのか。
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