永井: なるほど。これまではその資源を集めてきたり、集まったものを分別するのに手間とコストが掛かることが課題でした。リサイクルはすなわち分別のことだ、という考えも根強いと思います。
岩元: そうですね。お預かりする時点で分別されていればそれはありがたいのですが、我々はこの携帯電話のリサイクルのように人手による分別の手間を省きつつ、資源を集めるところにも工夫を凝らしています。結果、事業としての収益化も図れるようになったというわけなんですね。
集めるところはどうしているか? これもデロリアンに通じる話なんですが、「消費者参加型」なんです。いま我々は、約150の企業・団体と提携し、資源の回収に協力してもらっています。
永井: 前回お話をうかがったパタゴニアさんも参加されていますね! 僕はTシャツを捨てなくなりましたが、長く着たあとはリサイクルすれば良いわけだ。
岩元: そうすれば私たちが原料に戻しますので。
岩元: これらの企業や団体さんは当社の技術を気に入っていただいているのはもちろんなんですが、例えば消費者に伝わりやすい統一されたリサイクルマークを作ろうとか、集積所での分別を分かりやすいものにしようといった工夫を一緒に進めています。やはりリサイクルが浸透するかは消費者が参加しやすいかどうかだと思うんです。
「地球環境を守ろう、資源が枯渇するぞ」って危機感を与えても、なかなか消費者のリサイクル行動には結びつかないですよね。人は危機感や恐怖感だけでは動かない。だから、リサイクルをエンタメの力で楽しく、自然に参加できるものにしようと思ったんです。「デロリアンを動かそう!」ってモールで声を掛けたら、500人以上が行列して古着をもってきてくれる。1カ月でそれまでの1年分の古着が集まりましたからね。
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